業界は対策に取り組んでいるものの、アドフラウド(広告詐欺)はいまも大問題だ。

英国の調査会社ジュニパー・リサーチ(Juniper Research)の推計だと、2018年は、広告主全体で1日当たり5100万ドル(約54億円)がアドフラウドによって失われる見込みだ。年間総額は190億ドル(約2兆円)。ニューズUK(News UK)やフィナンシャル・タイムズ(Financial Times)などは、アドテクスタックを調査したところ毎月多額の収益が失われていることが判明し、アドフラウドの取り締まりを強化しているパブリッシャーもある。一方、プロクター・アンド・ギャンブル(The Procter & Gamble)、ユニリーバ(Unilever)、スコットランド王立銀行(Royal Bank of Scotland)などでは、予算の使われかたをマーケターが注視するようになり、マーケティングの内製化が広がっている。

この記事では、4つのグラフからアドフラウドの現状を読み解く。

アドフラウド問題が大きいOTT



米DIGIDAYが報じたように、動画はお金が集まり、詐欺師にとって極めて魅力的になっている。これから5年間で動画広告支出が大きく増加する見込みのOTTだが、フラウド防止アドテク企業のピクサレート(Pixalate)によると、人間でない無効なトラフィックの温床にもなっている。コネクテッドTVやOTTのブログラマティック販売された動画広告は2017年10月、5件に1件以上(20.4%)が無効だと測定された。



Source: Pixalate

BuzzFeed Newsが報じたように、LinkedInやYouTubeなどのプラットフォームは、トラフィックの「洗浄」に使われる可能性がある。無効なトラフィックにポップアンダー広告とリダイレクトを使って、より本物らしいものにするのだ。プラットフォームが責任を持たなければいけないアドフラウド戦術は多い。

守勢のGoogle



Googleは圧力の高まりを受け、同社のポリシーに違反しているいわゆる悪質広告(bad ad)をトラッキングするリソースを強化した。悪質広告によるパブリッシャー収益減を防ぐのに役立つ、ページ単位の執行などの新技術を導入し、また、デジタル広告のエコシステムのさらなる反映と詐欺防止のため、広告主のポリシーを28件、パブリッシャーのポリシーを20件、それぞれ追加した。さらに、悪質広告を削除する専任者を拡充し、広告の削除またはブロックが2015年の7億件から2017年には32億件に増えた。2018年6月には、暗号通貨関連のコンテンツに関する広告をすべて禁止する計画だ。



Source: Google

力を入れる業界団体



アドフラウドが誰のせいなのかは議論があるが、ブランドとパブリッシャーは、業界団体にもっと動いてほしいと考えている。パフォーマンスマーケティングエージェンシーのクエリクリック(QueryClick)の調査では、インタラクティブ広告協議会(以下、IAB)などの業界団体が常習犯を処罰する権限の強化について、ブランドの85%が有益だと答えた。



Source: QueryClick

業界団体が積極的に動き出し、IABのads.txtの取り組みは広く受け入れられているが、限界がある。英国およびアイルランドのウェブ標準共同業界委員会(JICWELS)と、米国のトラストワージー・アカウンタビリティ・グループ(Trustworthy Accountability Group:以下、TAG)は、デジタル広告の浄化に向けて戦略を統合すると発表した。

有望な兆しがある。TAGのために614グループ(The 614 Group)が実施した調査によると、アドフラウドを阻止するTAGのガイドラインを順守する企業が利用するTAG認証チャネルでは、12月、動画インベントリー(在庫)とディスプレイインベントリーで測定された無効トラフィックの割合が1.48%だった。業界全体と比較すると無効なトラフィックが83%少なかったのだ。



Source: Trustworthy Accountability Group

Lucinda Southern (原文 / 訳:ガリレオ)