赤字転落を発表する山下社長。かつて桜井正光元社長(現特別顧問)が敷いた、M&Aにより複合機ビジネスで世界トップになる戦略が逆回転しはじめたリコー。打開策は多くない Photo by Yoko Suzuki

写真拡大

 オフィス複合機首位のリコーが白旗を揚げた格好だ。2008年に約1700億円で買収した米国のオフィス機器販売会社、アイコン社などの資産を減損し、18年3月期に1700億円の当期損失を計上する。創業来最悪の赤字幅となる。

 リコーはオフィス用複合機の主戦場であるA3カラー機の販売台数で世界シェア首位の企業。今回の危機を招いた原因は、首位のはずの複合機事業の弱さと、さらにそれを補う他の事業がないことだ。

 キヤノンによる東芝メディカルシステムズ、富士フイルムホールディングスによる米ゼロックスなど、競合他社の大型M&Aが喧伝されるが、実は業界でその先陣を切っていたのはリコーだった。

 1995年から08年までにリコーが行ったM&Aは合計4000億円を超え、その中でも最大のものが、当時世界最大の独立系事務機ディーラーのアイコン社だった。当時は有力海外販社を傘下に収め、売り上げ台数を伸ばすことが成長に直結した。

 だが現在では、ペーパーレス化が進み複合機販売台数は頭打ちだ。しかも、一度販売すればその後安定的に利益をもたらし続けてくれた消耗品事業も、利益率の低下が止まらない。その結果、かつて成長の源泉と見なされていたアイコン社の減損処理を余儀なくされた。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)