Anker「PowerCore 10000」(「Amazon HP」より)

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 外回りの多いビジネスパーソンにとって、出先でのスマートフォン(スマホ)やタブレット、PCの充電切れは避けたいところ。そこで重宝するのが、コンセントがなくても手軽に充電することができるモバイルバッテリーだろう。今は商品のスペックや価格帯がバリエーション豊富なため、どのモバイルバッテリーを購入していいのかわからないという人も多いのではないだろうか。

 そこで、『できるゼロからはじめるiPhone X/8/8 Plus超入門』(インプレス/共著)などの著者でモバイル評論家の法林岳之氏に、コスパのいいモバイルバッテリー選びのポイントを聞いた。

●モバイルバッテリーの容量とサイズは比例する

 まずポイントになるのが、モバイルバッテリーの容量だろう。どれだけ充電することができるのかを示すもので、スペック欄などには「mAh(ミリアンペアアワー)」の単位で表記されていることが多い。

「最初に考えるべきは“1日に何回充電するのか”ということ。たとえば、営業で朝から夕方まで帰ることができないのであれば、多くて2、3回の充電回数が見込まれます。現在発売されているスマホのバッテリーは多いもので3000 mAh前後ですが、スマホの充電という用途で考えるのであれば、モバイルバッテリーの容量は10000mAhあれば十分でしょう。

 コンパクトなサイズ感を重視している方もいるかもしれませんが、モバイルバッテリーに使われている『セル』という電池は、容量によって使用される本数もおおよそ決まっているもの。単純に小さければ小さいほど容量も少なくなってしまうというわけです。ですからサイズの小ささで選ぶのではなく、自分のビジネススタイル、ライフスタイルをふまえて、まず最低限必要だと思う容量を決めておいたほうがいいと思います」(法林氏)

 つまり、“ミニサイズで大容量”というモバイルバッテリーは基本的にないということか。

●昨今多発する発火事故への対策ポイント

 次に、充電の早さを表す規格「クイックチャージ」について聞いた。

「そもそもクイックチャージとは、米クアルコムがつくった規格で、通常よりも短時間で急速に充電できるものに付いています。いくつかのバージョンがありますが、現行機種のほとんどのスマホはいずれかの規格に対応しています。数年前の少し古いスマホは、機種によって対応していないことがあります。ですから、充電時間の短縮を望むのであれば、自分の持っているスマホがそもそも対応しているかを確認しておく必要があるでしょう。ちなみに、“急速充電”などのキャッチフレーズが書かれていても、クイックチャージの規格に対応しているとは限らないので注意が必要です」(同)

 モバイルバッテリーは発火事故もたびたび報じられているため、安全性も気になるところだ。

「もともとモバイルバッテリーはトラブルが多い機器でもあり、いい加減な使い方をしていると、なんらかの拍子で内部に傷が付き、発火してしまうことがあるんです。現にここ数年で報告されている発火事故は100件を超えるほど。実はこれまでのモバイルバッテリーは、電気用品による事故を未然に防ぐための規格『PSEマーク』がなくても、販売が可能でした。しかし、相次ぐ発火事故などを受けて経済産業省が動き、来年2月からPSEマークの付いていないモバイルバッテリーの製造・輸入・販売を禁止することになったというわけです。

 ただし、来年2月まではある意味で準備期間ですので、PSEマークが付いていないモバイルバッテリーも販売することができます。となると、PSEマークのついていないモバイルバッテリーの在庫を抱えている店舗は、早急に売り切りたいわけですから大幅な値下げをすることが予想されます。

 要するに、今、安い値段に惹かれて飛びついてしまうと、PSEマークのついていないハイリスクな商品の場合もあるため、値段だけでモバイルバッテリーを選ぶのはおすすめしません。相場よりも安い商品にはPSEマークがない可能性を疑ったほうがいいでしょう」(同)

 では、これまでのポイントを踏まえたうえで、充分なスペックがありコストパフォーマンスもいいモバイルバッテリーは、いくらぐらいの価格帯になるのだろうか。

「3000円前後が適当な値段だと思います。使用頻度にもよりますが、モバイルバッテリーは次第に劣化するものですので、1年ぐらい使うと充電の“持ち”が悪くなることは多々ありますし、2、3年使えれば長持ちしたほうだといえます。ですから、3000円前後で購入してなんのトラブルもなく2、3年使えれば、いい買い物をしたといえますね。そういう意味では、有名なブランドのモバイルバッテリーであればきちんと使用回数テストも行っていると思いますので、コスパ的にも安全性的にも失敗が少ないと思います」(同)

●厳選したコスパのいいモバイルバッテリー5選

 ここからは、法林氏に聞いたポイントをもとに、厳選したモバイルバッテリーを紹介していこう(価格は実勢価格、税込)。

・Anker「PowerCore 10000」/2599円〜

<基本スペック>
・容量:10000mAh
・対応デバイス:iPhone/iPad/Android各種対応
・サイズ(幅×高さ×厚さ):9.2×6.0×2.2(cm)
・重量:約180g
・USBポート数:1
・特徴:Anker(アンカー)社独自の急速充電技術を搭載し、発火を防止するための素材を採用。

・PHILIPS「USBモバイルバッテリー」/2680円〜

<基本スペック>
・容量:10000mAh
・対応デバイス:iPhone/iPad/Android各種対応
・サイズ(幅×高さ×厚さ):6.1×2.2×10.5(cm)
・重量:約205g
・USBポート数:2
・特徴:家電製品の大手メーカーであるフィリップス社製で信頼感は抜群。同時に2台のデバイスをハイスピードで充電することができる。

・cheero「Power Plus 3 10050mAh」/2480円〜

<基本スペック>
・容量:10050mAh
・対応デバイス:iPhone/iPad/Android各種対応
・サイズ(幅×高さ×厚さ):9.2×6.2×2.3(cm)
・重量:約192g
・USBポート数:2
・特徴:日本のモバイルバッテリーメーカーである「cheero(チーロ)」。発熱を感知すると、自動停止機能が作動する仕様。

・RAVPower「12000mAh モバイルバッテリー」/2599円〜

<基本スペック>
・容量:12000mAh
・対応デバイス:iPhone/iPad/Android各種対応
・サイズ(幅×高さ×厚さ):13.0×5.6×2.4(cm)
・重量:約236g
・USBポート数:2
・特徴:アメリカに拠点を置き、パソコンやスマホのバッテリーを開発するメーカー、RAVPower(ラブパワー)。LEDインジケーター搭載で、バッテリー残量を一目で把握できる。

・BUFFALO「BSMPB10001P2BK」/3445円〜

<基本スペック>

・容量:10050mAh
・対応デバイス:iPhone/iPad/Android各種対応
・サイズ(幅×高さ×厚さ):10.8×6.3×2.25(cm)
・重量:約195g
・USBポート数:2
・特徴:無線LANルーターといったパソコン周辺機器でお馴染みのバッファロー社が開発。安全装置付きのセルを搭載しているため、温度異常や過充電を未然に防ぐ。

(文=A4studio)