エイブリックが委託するアナログ半導体の生産拠点候補、ジャパンセミコンダクター・岩手事業所

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 中堅半導体メーカーが車載向けを中心にアナログ半導体の供給能力を引き上げる。エイブリック(千葉市美浜区)は東芝に、アナログ半導体生産を委託する。トレックス・セミコンダクターはベトナムで車載用に超小型・低消費電力の電源ICの製造ライン構築に着手する。電動化や自動運転技術の搭載などによる車の電装化の進展で、主に各機器の信号処理や電源制御に使われるアナログ半導体の需要は拡大する見通し。大手から中堅まで増産への動きが活発になっている。

 エイブリックは東芝の半導体受託製造子会社のジャパンセミコンダクター(JSC、岩手県北上市)に生産を委託、2018年内にも製造を始める見通しだ。委託する生産品目や開始時期の詳細は現在検討中。

 生産拠点はJSC岩手事業所(岩手県北上市)を軸に選定している。生産委託により、生産能力を現状比10%程度高める方針だ。

 エイブリックはセイコーインスツル(SII)の半導体事業を分社し、SIIや日本政策投資銀行が出資して16年に発足した。主力はリチウムイオン二次電池保護ICや車載機器・医療機器向けICなど。ウエハー加工を手がける高塚事業所(千葉県松戸市)はフル稼働が続いており、成長する車載市場を取り込むためにも、生産委託先を模索していた。

 トレックス・セミコンダクターは18年度中に、後工程(検査・組み立て)を手がけるベトナム工場で、車載向けの品質認定を取得する予定。17年度に16・5%と見込む車載事業の売上高比率を、20年度は19・2%まで引き上げることを目指す。

 世界半導体市場統計(WSTS)によると、18年のアナログ半導体市場は前年比6・1%増の559億ドルの見通し。英調査会社IHSマークイットは16―22年の車載向けアナログ半導体市場の年平均成長率を6%と予想する。