ノウハウを他企業に安価に提供するために協会を設立(Bondが運営する大阪府内の保育園)

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  2017年12月に発足した全国企業主導型保育支援協会(大阪市中央区、宮川大作理事長)。設立数カ月で、同保育を導入した企業や今後参入する企業を合わせ、入会申し込みが20社にのぼった。同協会はスケールメリットを追求し、保育プログラム充実を提唱している。企業の“保育参入”が相次ぐ背景や、これからの企業主導型保育の在り方を探った。

 企業主導型保育は従業員の福利厚生などを目的に企業主体で設置する保育施設。16年に内閣府が制度化した。17年度の全国の保育量拡大分は市町村の約11万5000人に対し企業主導型が約5万人の見通しで、企業主導は全体の約3割ある。

 認可保育園と同等の補助金で整備・運営ができ、日曜日の保育や従業員の子ども以外を受け入れる枠などで柔軟な設定が可能だ。これにより企業の参入障壁が下がり、人手不足解消や女性活用で保育園設置を計画する動きが活発化している。

 ただ保育園参入は容易ではない。同協会の宮川大作理事長は自身の会社が参入時に「コンサルト会社に多額の費用を払って設置し、運営は試行錯誤で苦労した」経験から、協会を設立した。

 宮川理事長が社長を務めるBond(大阪市中央区)は女性社員比率が高い生花小売業。安定雇用を確保するため、17年2月に企業主導型保育園を設置し大阪府内で6園を運営する。ノウハウを他企業に安価に提供するために、協会を設立した。物件や保育士の確保、安全衛生管理、監査書類作成などで新規参入と運営を支援する。

 「保育業界に一石を投じる団体になる」。宮川理事長は単なる集合体ではなく、スケールメリットを追求する。備品購入や待機児童情報共有などで連携し効率的な運営をすることで、保育プログラム充実や保育士待遇の向上を目指している。

 保育園設置を検討するプレス技術研究所(大阪市鶴見区)の河原正和社長は「知人の保育士から待遇の悪さを聞いたことも検討するきっかけ」と明かす。女性活用と同時に、保育士の待遇改善や地域社会貢献につなげたい企業は少なくない。

 Bondが運営する一部の保育園は連携により効率化を図り、保育料への追加料金なしに体操教室や外国人講師による英会話などを導入する。「未来の人材を育成したい」(宮川理事長)。
(文=東大阪支局長・坂田弓子)