世界でも“綺麗好き”といわれる日本人。衛生観念が強く、外から帰った後やトイレの後など、日々こまめに手を洗う風習が身についています。特に冬場は念入りに手を洗い、インフルエンザなどのウイルスから身を守る意識が高かった人も多いでしょう。しかし冬が終わった今、その意識は少しずつ低下していませんか?

毎日手を洗う人と毎日洗っていない人、感染症のリスクの差はごくわずか

「アンファー株式会社」では日本人の手洗いの実情を調査するべく、20歳〜59歳の男女を対象に、『手洗いに関する意識調査』を実施しています。こちらによると、年代と性別問わず「毎日手洗いをしている」という人は70.75%。全体の7割以上の人は毎日手を洗う習慣が身についていることが分かりました。

毎日必ず洗っている人は7割以上!これだけ見るとやはり日本人の衛生観念は高いと思われますが……。

ただ同調査によると、毎日手を洗う習慣がある約8割の人でも、直近1年間に感染症(かぜ・感染性胃腸炎・インフルエンザ)にかかったことがあると回答した人は66.8%。一方「毎日やりたいができないこともある」と答えた人のうち、感染症にかかったことがある人は68.2%だそう。毎日手を洗っている人と、毎日やりたいけどできない人。感染の確率はたったの1.4%しか違いがないのです。

日本は発展途上国に比べると衛生環境が良いので、逆に感染に対する免疫獲得力が弱くなっている可能性もあるそうです。

どの年代の男性よりも劣る、20代女性の手洗い意識

なぜ毎日手を洗っているのに、感染症を防げないのでしょうか?理由はいろいろあると思いますが、その一因として「正しい手洗い方法を実践できていない」人が多いこともあるようです。

正しい手洗い方法とは一体どんな方法なのか?「公益社団法人日本食品衛生協会」が推奨する方法によると、まずは「流水で洗い、洗浄剤を手に取る」。そこまではほとんどの人がやっていると思いますが、問題はその先です。

正しい手の洗い方(公益社団法人日本食品衛生協会より)

1、指の腹面を洗う

2、手のひらを洗う

3、手の甲を洗う

4、手の背を洗う

5、指の間(側面)を洗う

6、指の股(付け根)を洗う

7、親指と親指の付け根を洗う

8、指先を洗う

9、手首を洗う(内側、側面、外側)

その後は「洗浄剤を十分な流水でよく洗い流す」「手をふき乾燥させる」「アルコールによる消毒」と続きますが、問題なのは上記の「1の行程から9」がどれだけ達成できているか。同調査ではこちらの1から9に加えて、「部分を意識しない、何となく全体」を洗っている人を「0」として、どれくらい対応できているかを性別と年代、さらには「子どもを持つ母親」別に調べています。

正しい手洗い方法の実践率が一番高いのは「40代女性」。また意外にも「20代男性」も手洗いに対する意識が高く、20代女性と全く違った結果となっている。

なんと1から9をすっ飛ばし「部分を意識しない、何となく全体」である「0」が圧倒的に多いのは「20代女性」であることが判明!「子どもを持つ母親」はもちろん、男性全般よりも手洗いに関する意識が低いことが判明したのです。これは正直、衝撃な調査結果ではないでしょうか?

手洗いは健康管理の基本!20代女性以外でも手洗いを怠っている人は人ごとではありません。風邪の流行が落ち着いた今こそ、手洗いの方法を一度見直してみてはどうでしょうか?

【調査概要】
調査主体:アンファー株式会社
調査対象:20歳〜59歳の男女300名
【男性:100名(子供なし)女性:48名(子供なし)、女性:252名(子供あり)】
調査期間:2018年3月6日〜8日