開幕スタメンでシアトルに凱旋を果たしたイチロー【写真:Getty Images】

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本拠地史上最多の大観衆の前で開幕戦勝利「これが続くようにしたい」

 6年ぶりにマリナーズに復帰したイチロー外野手は29日(日本時間30日)、開幕戦のインディアンス戦に「9番・左翼」でスタメン出場し、2打数無安打1三振だった。無安打に終わったが、マリナーズは2-1で勝利。レギュラーシーズンでは同球場史上最多となる4万7149人の観衆で埋まったセーフコ・フィールドのファンは、帰ってきた背番号51に大歓声を送り続けた。キャンプで相次ぐアクシデントに見舞われたイチローを開幕スタメンで起用したスコット・サービス監督は「興奮と衝撃は最高だった」と振り返っている。

 試合前の選手紹介。名前をコールされたマリナーズの選手が右中間から登場し、レッドカーペッドの上を走って、ナインが並ぶ一塁ファウルラインへと向かう。スタメンは1番から順番に登場。9番のイチローは野手では“トリ”となったが、スクリーンにその姿が移ると、球場のボルテージは最高潮に達し、その中を軽やかに駆け抜けた。

 さらに、3回先頭で回ってきた第1打席でも、名前がコールされる前から大歓声。打席に入ると、「イチローコール」も沸き起こった。昨年のサイ・ヤング賞右腕クルーバーの前に一ゴロに倒れたが、ファンは背番号51に終始、歓声を送り続ける。5回2死二塁で空振り三振に倒れた第2打席、2度の左飛を捕球した守備でも、球場は沸いた。

 マリナーズは初回に主砲クルーズの2ランで先制すると、投手陣がリードを守りきって2-1で開幕戦勝利。試合後、スコット・サービス監督は白星に満足感を示しつつ、最後に自ら「イチローの名前がアナウンスされた時の興奮と衝撃は最高だった。非常に感謝している。選手たちも感動していた。これが続くようにしたい。シアトル、ありがとう」と付け加えた。

 今オフはなかなか契約に至らず、マリナーズに電撃復帰してから、キャンプに遅れて合流したイチロー。右ふくらはぎの張りや頭部死球などアクシデントが相次いだが、指揮官はギリギリで開幕に間に合わせた44歳の「鉄人」を信じ、スタメン起用した。大きな盛り上がりを見せた本拠地での開幕戦で、マリナーズは強豪相手に白星発進。喜びはひとしおだったようだ。(Full-Count編集部)