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●満開のサクラの下でカレー

例年より少し早い満開のサクラ

3月最終週、東京ではソメイヨシノが見頃となった。陽気がよいので、この記事が公開される頃には散り始めているかもしれないが、「散り際こそもっとも美しい」ともいうので、ぜひとも花見に行っていただきたい。

さて、そんなサクラの見頃に花見の名所、千鳥ヶ淵にイベントの招待を受けた。イベントの主催者は大塚食品。大塚食品の主力商品といえば「ボンカレー」だが、実は誕生から50周年を迎える。その意味もあって千鳥ヶ淵でイベントが行われた。

イベントとはいっても大規模なものではない。簡単にいえば花見だ。10名ほどの一般客を招待し、お酒と料理をふるまうというもの。もちろん料理はボンカレーとなる。花見にカレーとはあまりイメージがわかないが、レトルトであるボンカレーならば調理は簡単だ。カセットコンロとクッカーがあればお湯が沸かせ、そこにレトルトパックを放り込めば温められる。また、千鳥ヶ淵のような場所であれば最寄りのコンビニに行って、電子レンジで「チン」するという手も使える。花見といえばスナック菓子やさきいかといった手軽な食品で済ますことが多いが、カレーであれば食べ応えがある。

○外国人観光客でにぎわう千鳥ヶ淵

招待された場所は半蔵門駅が至近だったが、せっかくなので九段下駅からお堀沿いを歩いて行った。そして気づいたのは、外国人観光客の多さ。英語や中国語、フランス語などの会話が飛び交い、あまり日本人が持ち歩かない自撮棒で撮影している姿も目立った。2017年、インバウンド観光客は過去最高の約2,900万人近くにのぼり、今年はそれを上回るペースで訪日客があるという。そんなインバウンドの動向が体感できたといえよう。

ただ、お酒や食料を持ち込んでの花見となると、圧倒的に日本人の独断場だった。まず、外国人観光客がブルーシートを持ち込むのが難しい。また、花を愛でながらお酒や食事を楽しむという感覚も浸透していないのだろう。千鳥ヶ淵沿いを歩いていると、多くの日本人がブルーシートを敷いていた。

●豪華な花見場所をセッティング

17:00ぐらいだったが、すでにできあがっているグループもあれば、一人ポツネンと缶ビールを飲んでいる人も目立った。後者はいわゆる“場所取り役”なのだろう。平成も30年が経ち、働き方改革やパワハラ問題が取りざたされるようになっても、「昭和の風習がまだ残っているのだな」と、何か考えさせられた。

花見場所にワインボトルやフルーツのディスプレイを置き、豪華な見た目を演出

さて、そうしたブルーシートの間をすり抜けていくと、ひときわ豪華な一画が目に入ってきた。ブルーシートではなくカーペットが敷かれ、クッションが多数用意されている。木箱の中には複数のワインボトルが並べられ、バスケットには果物の食品ディスプレイが入っていた。明らかにブルーシートの花見とは異なる雰囲気だ。そこが、大塚食品の花見現場だった。

○少し贅沢なレトルトカレーを投入

なぜ、大塚食品はこれほど豪華な一画を作ったのか。ねらいは大きく2つあると感じた。ひとつはブースに数多く展示されていたのが「ボンカレー グラン」という商品であること。ボンカレーといえば、長期にわたり松山容子さんをイメージキャラクターにしていたが、現在は複数の円をモチーフにしたデザインが使われている。だが、ボンカレー グランは、調理イメージと使用素材の写真を前面に押し出す。レギュラー商品の「ボンカレーゴールド」が180円なのに対し、グランは350円だ。

つまり、これまでの商品よりもランクが上、まさしく“グラン”を演出したかったのだろう。近年、アウトドアブームが再燃しているが、グランピング(グラマラスなキャンピング)というスタイルが流行している。ストイックなキャンプではなく、より快適で魅惑的なキャンプを楽しもうというものだ。ボンカレー グランは「grand」から採っているのだろうが、グランピングと方向性は共通している。そのため、グランピングを想起させるような豪華な花見ブースを設営したのだろう。

●テレビCMに頼らないプロモーション

花見場所に掲げられた看板

そしてもうひとつのねらいは、ブースの前に立てられた看板にある。そこには「インスタ撮影Free!」と書かれていた。千鳥ヶ淵の花見客はシートを敷いて1カ所で飲食する人に加え、お堀端を散策しながら花を愛でる人も多い。実際、散策していた人は大塚食品のブースの前で足を止め、スマホで撮影していた。

これになんのねらいがあるのか……。それは情報の拡散にある。実は大塚食品は商品プロモーションの戦略を大きく変えた。2013年からテレビCMを使うのをやめ、SNSや動画サイトによるプロモーションに切り替えたのだ。つまり、今回の花見施策は、ブースや商品を撮影してもらい、それをSNSなどで拡散してもらうというねらいがある。そのためには豪華な設営が必要だったのだ。

○お堀端でまさかのクラシック演奏

そして、足を止めてもらうために豪華なブースのほか、もうひとつ仕掛けを打った。クラシック演奏だ。ブースの奥に3重奏の奏者を招き、花見客が増えてきた夕方頃に演奏を行った。

ビバルディの「春」が流れると、近くのシートに陣取っていた花見客から歓声が上がり、散策をしていた人たちは足を止め聴き入っていた。突如流れてきた音楽に聴き入るだけでなく、楽団の撮影をする人も多かった。大塚食品のねらいは当たったといえよう。

最近、食品や飲料などの高級志向が目立っている。ボンカレー グランだけではなく、「グランドキリン」というビールが好調だ。こうした流れは景気回復というよりも、飲食するものぐらいは“プチ贅沢”をしたいという心境の表れだろう。ぜひともボンカレー グランとグランドキリンのコラボを実施してもらい、招待いただけると光栄だ。