17年4月に施行された銀行法施行規則改正により、18年4月2日からJ-Debit「キャッシュアウトサービス」がスタートする。このサービスはデビットカード(キャッシュカードの一種)を使い、ショッピングの店舗で自分自身の銀行口座から現金を下ろすことができる。

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 J-Debitは18年2月現在、1073の金融機関と全国56万カ所以上の加盟店が参加しており、デビットカード決済サービスにより代金を銀行口座から即時に引き落とし、センターでまとめて決済処理を済ませた上で、金融機関の間の手数料清算を行っている。

 このデビットカード決済は、海外では多くの国で幅広く一般的に利用されているが、今までの日本では影が薄かった。

 また、日本の民間最終消費支出に占めるクレジットカードとデビットカード、電子マネーの合計決済割合は、18.3%(15年、BIS統計)と韓国が90.0%、シンガポールが56.0%、オーストラリアが55.1%であることを考えると明らかに低率で、キャッシュレス化の推進が課題であることが明白だ。

 今回サービスが開始されるキャッシュアウトは、利用者にとってはATMを経由する必要がなくなり、時によってはATMよりも手数料が安く済むメリットがある。加盟店のメリットはATM設置コストを負担しなくとも、同様のサービスが維持できる点にある。

 レジで現金が下せることが、キャッシュレス化の進展につながるとはすんなり受け止め難いが、将来的なキャッシュレス化へ向けた、多様なステップのうちの1つと考えた方が良さそうだ。

 スーパーのレジで高齢者の後ろに並ぶ。レジ係に金額を確認してから、財布を覗いて硬貨を探している。ちょうどの金額にならないのが不本意らしく、レジ係と遣り取りをする、そんな光景が珍しくない。

 キャッシュレス社会へ移行する場合、こうした高齢者にどんな配慮をするかということになる。ただでさえ買い物の“足”に難のある高齢者である。「QRコード」をスマホで読み取ると言っても、ガラケーすら持っていない高齢者もいるだろう。“現金お断り”となれば高齢者は買い物すらできないという、人権問題・生存権問題が発生してしまう。

 そんな高齢者も社会の変革に対する対応力には相当幅広い個人差が存在する。あっけないほど馴染んでいる高齢者もいるのだろうが、馴染んでいるので気にならない。配慮すべきはまごつくお年寄りである。

 ATMに並ばなくても現金が下せることに慣れたら、デビットカードの機能で、即時払いを選択する人も出て来るだろう。どうせ払うのなら、ストレートに払った方がすっきりする、と感じる人には分かり易い。スーパーやホームセンター、ドラッグストアなどで利用を一般化させ、ポイントカードとの連携が進む可能性もある。イオンの本州と四国の100店舗ほどの一部店舗では、導入初日の4月2日からキャッシュアウトサービスがスタートするようだ。18年度中には約400ある全店舗に拡大する予定と発表している。

 キャッシュアウトサービスの運用ガイドラインによると、取扱額は金融機関と取り決めた上限額(5万円程度)の範囲内で、1,000円単位として加盟店が自由に設定できる。サービス提供時間も加盟店が自由に設定し、レジの現金不足が予想される場合には、サービスの提供が中断される。手数料は払い出し金額が1万円以下の場合には100円(税抜き)、それ以上は200円(税抜き)が上限となる。

 キャッシュレス化進展の起爆剤となれるのか?もう間もなくスタートだ。