67職種別に見た「派遣の時給」ランキングTOP10

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派遣の時給はどの程度の水準か、職種別にランキング形式でまとめてみた (写真:xiangtao / PIXTA)

「派遣」など非正規雇用者への無期転換ルールの適用が始まろうとしている。

これは、有期雇用で更新して合計5年以上働く派遣社員や契約社員が希望すれば、無期雇用に転換できる制度で、2018年4月から該当者が出てくる。さらに、9月末以降には3年以上の有期雇用派遣者を、直接雇用するか派遣元が無期雇用する必要がある。企業側は、制度の構築など、対応が迫られているところだ。


制度面が注目されているが、では、派遣の給与(時給)はどうなっているのか? その実態を把握するために作成したのが、「職種別派遣時給ランキング」だ。

エン・ジャパンでは、派遣仕事のまとめサイト「エン派遣」に掲載されているすべての求人情報を集計し、募集時の平均時給を分析・公表している。今回、その三大都市圏(関東、東海、関西)の最新(2018年2月)の職種別時給データを使ってランキングを作成、派遣時給の高い職種順に並べた。

1位はWeb・スマホ系SEで2524円、5年で約500円増

派遣時給の経年変化を見るために、5年前の同時期(2013年2月)の時給を記載し、そこからの増減率も表記している。この5年間で時給が高くなった派遣業種、逆に低くなった派遣業種の傾向も見ることができる。

ランキングを見ていこう。1位はWeb・スマホ系SE(システムエンジニア)だ。時給2524円で、スマホアプリの開発やWebのeコマース用サイトの構築の需要がここ数年で急増し、技術者の奪い合いがおきている。5年前比の時給は23.1%増、500円近くも増加している。

2位も同様に、人材を求める動きが強いビジネスアプリケーション系SEで、時給は2517円となっている。こちらも2500円を超えており、5年前比でも14.1%増、300円以上アップしている。3位のネットワークエンジニアも、時給2494円(5年前比13.8%増)と高水準だ。

以下、4位プログラマ(時給2221円)、5位データベース系SE(時給2202円)、6位制御系SE(時給2159円)、7位運用管理・保守(時給2059円)、8位社内SE(時給2036円)と、IT系派遣が上位を独占した。いずれも時給2000円を超え、5年前比でも、データベース系SEを除き、100〜200円時給がアップしている。

営業系や技術系などの平均時給は過去最高の水準

IT系業種の時給が上昇している背景には、正社員の確保が難しくなっているため、外資系企業を中心に、プロジェクト単位で派遣を採用する動きが活発だからという。「課長相当以上のスキルを持った経験者を、時給4000円以上で募集する企業も増えている」(エン・ジャパン)。


全体の傾向も見ておこう。2018年の全体の平均時給は1527円だが、5年前の同時期は1504円で、1.5%増。ほぼ微減といってもいい。ただ、業界・業種によって温度差があり、上がる業種がある一方で、下がる業種もある。

業種の系統では、IT系(平均時給2131円)を筆頭に、営業系(平均時給1430円)やクリエーティブ系(1757円)、技術系(1768円)の時給がそれぞれ過去最高を記録した。人手不足を背景に時給の上昇傾向が続いている。

そんな中、時給の低下が続いているのは、医療・介護系の職種だ。同系統の業種は、2013年の平均1460円から、2018年は平均1256円にまで減少。なかでも、52位の看護師・准看護師は、5年前の時給1775円から1436円と、300円以上減少している。

医療・介護系の職種がマイナス傾向になっているのは、人手が余っているからではない。むしろ逆で、派遣社員の需要は拡大しているが人員の確保が難しいため、フルタイムではなく、パートタイムなど条件を緩和して募集をしているためだ。「週1日」「1日5時間以内OK」といった案件数は、前年比でおよそ2倍に達しているという。また経験の少ない人にまで募集条件を広げるケースも出ている。

ITや技術系以外で、時給の上昇度で見ると、30位のデザイナー(住宅・インテリア)(時給1637円、5年前比上昇率15.9%)や、63位ドライバー(時給1263円、同上昇率11.8%)などが目につく。ドライバーは昨今のネットショッピングなどの急拡大により、配達ドライバー不足や過密労働などが問題となっている。加えて経験者不足もあり、時給の上昇圧力が高まっていると思われる。