最高に乗せ上手な
「歌うナンバー1営業」


SURFACEは、ヴォーカルの椎名慶治(左)とギターの永谷喬夫(右)による二人組ユニット(SURFACE公式ホームページより)。

 もうすぐ彼らが帰ってくる。

 時は今年の正月に戻る。コタツに埋まりつつスマホで芸能ニュースを読みふけっていた私は、紅白記事の間にひょっこり挟まれていた、ある文字列にズームイン!

 「SURFACE再結成」。

 ササササーフィス!? ひー懐かしい!

 さらなる情報を仕入れるべく「SURFACE」と入力し検索をクリック。ところがマイクロソフトが提供する同名の製品紹介がガンガン出てきて私の逸る気持ちを邪魔する。違う違うそうじゃないッ(泣)。男性二人組の「SURFACE」だよ!


SURFACE「素直な虹/情熱マイソウル」ジャケット。黒い衣装にお互いの顔をビッグに映し出す……なかなかハジケた発想である。

 SURFACEとの出会いは「ショムニ」OP。はじめて聞いた時の衝撃は忘れない! たまたまチャンネルが合わさっていただけで、ドラマ自体ノーマークであった。

 ところが、♪ダンダンすちゃんちゃん!! という「それじゃあバイバイ」のイントロが、無防備だったマイハートにドカドカ侵入してきたのである。

 な、なんて軽快かつゴキゲンなリズムなの……!

 結局それに乗せられ「テンション上がったからこのままドラマも見ちゃおう」となったのだった。なんというか、曲でナンパされた感じである。キャッチフレーズをつけるならば「歌うナンバー1営業」。

 当時B’zとよく比較されていたが、SURFACEの歌の方が「ものすごく素直なチャラ男」。B’zに飲み会の幹事は安心して頼めないが、SURFACEなら仕切りから盛り上げまでガッツリ頼めるといったイメージだろうか(あくまでもイメージです!)。

 なにやら両方のファンに石を投げられそうだが、いやいや、要はそれぞれ個性的でビビッドな存在感を放っていたと言いたいのだ!


B’zの稲葉さんはまだしも、松本さんに幹事を頼んだら、一人予算2万円くらいのステーキハウスを予約されそうな気がするのは私だけだろうか。

チャラ男ならではの絶妙なエール


3rdアルバム『ROOT』。久々にCDラックから引っぱり出した。歌はもちろん、ギターがギュインギュインカッコ良すぎるぞ!

 私が思うSURFACEの歌の魅力は「アイツ、軽いように見えて、実は良いヤツだよね」感である。

 合コンでポツンとはみ出てしまった女子に対して、「ヘイヘーイ、そこの彼女、どうしたの?」とか言いながら隣に座り、当たり障りのない会話をしてゲラゲラ笑って最後に「ほらほら、笑った方がかわいいじゃーん」と背中をポンポン叩いてくれるあのタイプ!

 ご本人たちと面識がないので素の性格は知らないが、あくまで、私の想像する彼らの歌の主人公はそんな感じである。

 最高にイカシたリズムに乗る歌詞の「ゴーイングmy上へ」というオッサンも喜びそうなダジャレや、「ヌイテル?」と下ネタ臭を漂わせてからの、実は「肩の力抜いてる?」という意味でしたーというヒッカケ。いやもうダサいが親しみやすい兄(あん)ちゃんっぽくて、絶妙に「軽くて優しい」。

 個人的なスターダストメモリーで申し訳ないが、私はドン底期、彼らの「なにしてんの」がかかってきて思わず泣いたことがある。「乗り越えようなぁ、前に進もうなぁ! 今日は俺がそばにいてやっから!」とガンガン肩を叩いてくれているようで本当に沁みたっけ。

 嗚呼懐かしい。思い出してしまった。ちょっと涙を拭いてきます……。


2001年に発売されたベストアルバム『SURFACE』のインナースリーブより。しかし、時期によってずいぶんとルックスが変わるユニットである。

再結成という「夢の続き」


CHEMISTRY。川畑要が垢抜けていくほど寂しさを感じる。ぶら下げサングラス復活希望。

 そもそも私は「再結成」という展開が大好きである。今回のように二人組なら、なおさらその過程を妄想するだけで鼻血が出そうなほど萌える!

 最近だとCHEMISTRYが再結成を果たしたが、「川畑からメールを送り、堂珍から返事が返ってきたのが1週間後だった」というエピソードを知った時、私は返事を待つ間の川畑のドキドキを勝手に我が身に置き替え、その場でもんどり打った。


椎名慶治は、解散後もソロとして活躍を続けてきた。最新シングルは2017年11月にリリースされた「凹凸」。“でこぼこ”ではなく“おうとつ”と読む。

 二人組の再結成は恋と似ている。

 お互いプライドもあるだろうし、断られた時の気まずさを想像すると、「なあ、もう一度一緒にやらねぇ?」と声をかける方はかなり気合いがいると思うのだ。

 SURFACEの場合は当然「20周年」という節目がきっかけになったとは思うが、「節目に復活しようと前々から決めていたわけじゃなく、本当に磁石のように引き合う力が強くなったのが今で」などというシビレるコメントを出された日にゃ!

 そのS(椎名)とN(永谷)から出される磁力、期待しないわけにはいかないッ。


椎名慶治オフィシャルブログのタイトルは「いつも何か考えてます。」。再結成についてもよく考えたのであろう。

 そういえば「それじゃあバイバイ」でも、ラストは「また明日ネ」で締められていたものなあ。二人の「明日」、つまり再始動の日は5月27日。2カ月先である。なんとも中途半端な時期に記事を書いてしまった……。

 それこそ「なにしてんの?」と言われそうだが(汗)、彼らに限らず、ユニットの再結成は、ひたすらノスタルジーに浸るだけでも楽しいが、改めて「組むことによって出る魅力」や見逃していた活動を見直すチャンスがいただけた感じで本当にありがたい。

 動きださなきゃ、何も始まらない。いやー、確かに!

文=田中 稲,写真=文藝春秋