東京農工大が「研究」ではなく「教育」をミッションにした教員選び

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 東京農工大学は研究ではなく教育をミッションとする教員を選び、新基準で評価する制度を2019年度に導入する。現在は論文など研究重視の基準が中心で、教育の質向上で貢献しても評価されにくい。18年4月に設立する全学教育の企画・運営の司令塔「グローバル教育院」所属の教員に新評価を適用し、研究型大学における工学教育改革を推進する。

 新設するグローバル教育院は、教養・専門基礎教育や国際交流のほか、入試や社会の中長期ニーズ対応の新科目など、全学の教育の設計や運営を手がける。

 ここに「教育専任教員」として当面、20人程度を据える。1年後に新基準で評価し、給与や昇格に反映させることで教育改革を推進する。

 研究型大学は一般に論文や外部資金獲得などで教員を評価する。農工大も、全教員が各研究院に所属し、エフォート(勤務時間配分)を「研究と教育が4割、運営と社会貢献が1割」として評価してきた。新たな教育院所属の教員は「教育と運営が9割、研究で1割のイメージ」だという。

 教員は講義内容の自由度が高く、教育の質がばらつく問題がある。教育院は卒業生の社会評価向上に向け、講義内容の改善指導にも踏み込む。例えば覆面学生や卒業生の会社員が研究重視型の通常の教員の講義を複数受け、それを比較するなどの案を練っていく。

 同大は文部科学省が進める国立大学の三つの枠組みから、「世界」を選んだ研究型大学だ。しかし1年前に就任した大野弘幸学長は、研究強化策の一段落を受け、受験生や親がもっとも重視する教育を第一に掲げていた。