Journal of Experimental Social Psychology』(2017年11月)に発表されたヴァージニア大学の研究によれば「スマホをいじりながらの食事は、そうでない食事と比べて、味気ないものになる」と判明しました。

「今この時間」から意識をずらすスマホを消す

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300余人の被験者を対象にしたこの研究では、被験者それぞれに、スマートフォンをONにして待機した状態か、スマホをしまいこんだ状態かで、友人や家族と食卓を囲んでもらいました。食事のあと、料理の質、会話や同席者とのコミュニケーションについてアンケート調査を行った結果が下の通り。

電話がオンである場合、被験者は集中力を欠くように感じていた。そのため、友人や家族と過ごす時間を楽しむ度合いも低かった。

(「Science Direct」より翻訳引用)

確かに、スマホを見ながら食事をすれば、どうしても注意が散漫になり、同席者との会話が減るのも当然でしょう。実際、レストランで食事をとる夫婦や親子が、それぞれ自分のスマホやタブレットばかり眺めているという寒々しい情景も珍しいものではなくなりましたし、そういうテーブルは、大抵の場合、話も弾んでいない印象です。

食事は人と人との関係を築く大切な時間

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日本語にも「同じ釜の飯を食った仲」という表現がありますが、どんな文化圏でも、食事をともにするというのは、人と人の関係を築くのに最も効果的な手段のひとつです。

例えば、私の住むフランスでは、通常初対面の人には「あなた(vous)」と敬語で話しかけますが、食事をともにした後は「きみ(tu)」と親しい間柄で使う代名詞にスイッチするのが普通です。それだけ、一緒に食事をとることは、人間関係構築において鍵となる行為なのです。

その「食事」さえ、スマホをいじり「ながら」では、一緒にいる人と共有できるはずの喜びを自ら放棄するようなもの。また、上の研究は、スマホをONにしている本人が被験者ですが、自分はスマホをつけていなくても、一緒に食事する相手がスマホをいじってばかりというケースも、かなり食事を味気ないものにするように思います。

おそらく、この研究結果に改めて驚く人はいないでしょうが、これを機会に、食事の時はスマホはオフにし、同席者にもしまってもらって、もっと、目の前にいる人との関係を大切にする時間を持つようにしたいものです。

Science Direct