会見する三宅イオン執行役

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 イオンは28日、2050年までに店舗で排出する二酸化炭素(CO2)を総量でゼロにすると発表した。モーダルシフトの推進など、商品や物流面でもCO2の発生ゼロを目指す。16年に発効した「パリ協定」が掲げる、脱炭素社会の実現に貢献する狙いだ。中間目標では、年1%以上の削減を目指し、30年までに排出量を10年比35%削減する考えだ。

 イオンディライトとデジタルグリッド(DG、東京都千代田区)は28日、店舗間で再生可能エネルギーの電気をやりとりする実証事業を4月から始めると発表した。

 需要家同士が電力を融通できるDGの技術を使い、2018年度はイオングループの35店舗、19年度は1000店舗が電気をやりとりし、再生エネの利用量を増やす。

 両社は、二酸化炭素(CO2)削減価値をブロックチェーンを使って取引する環境省の実証事業にも参加する。

 DGは元東京大学特任教授の阿部力也氏が会長となって17年10月に設立した。阿部氏が開発した電力融通技術は電気を識別でき、送り先を選んで送電したり、再生エネ電気を指定して購入したりできる。

 イオンディライトは融通技術を活用し、再生エネ電気が余った店舗から他の店舗に送電することで、グループ全体の再生エネ利用量を増やす。同社はDGに出資した。

 環境省の実証事業は家庭が太陽光パネルの電気を消費して削減できた価値を企業が入手する取引基盤の構築を目指す。DGが応募し、28日採択された。実証は18―20年度を予定。

 イオンのCO2排出量の9割は電力由来。店舗で使う電力の削減や、再生可能エネルギーへの転換を進める。

 三宅香執行役は「イオンの電力消費量は日本全体の1%。減らすのは並大抵の努力ではできない」とした上で、省エネ設備の導入や、再生エネの自社調達などを進めるとした。再生エネ100%を目指す企業連合「RE100」に、日本の小売業で初めて参画した。

 中間目標の達成に向け、人工知能(AI)などを活用し、10年の標準店舗と比べCO2排出量を半減する次世代店舗の開発にも取り組む。18年3月には本社の使用電力をすべて再生エネに切り替えた。