3月24日、ワシントンなど全米各地で、銃規制強化を求める大規模集会「March for Our Lives(命のための行進)」が開催された 写真:AP/アフロ

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米国で財政赤字が止まらない。それなのに、政権を握る共和党はこれまでの「小さな政府」路線を転換せざるを得ない状況に追い込まれている。支持者が高齢化しているからだ。一方、これまで高齢者層に従ってきた若年層には、“反乱”の兆しも見えてきた。(みずほ総合研究所欧米調査部長 安井明彦)

米中貿易戦争、大統領補佐官解任の裏で
ひっそり決まった財政の大型歳出法

 中国に対する制裁措置の発表や、ハーバート・マクマスター大統領補佐官が解任されるなど、米国は何かと騒がしい。その裏で、ひっそりと、実は大きな政策転換が決まった。大幅な財政赤字拡大の容認である。

 2018年3月23日、米議会が2018年度歳出法を可決した。その特徴は、歳出の大幅な拡大を認めた点にある。米国は、金融危機後の財政再建の過程で、毎年度の歳出に上限を定めていたが、今回の歳出法は、11年に定められた歳出上限を大幅に上回る歳出を認めている。

 こうした財政規律の緩みは、今に始まったことではない。既に米国では、18年末に大型の減税が成立し、18、19年度の財政赤字が合計で約4200億ドル拡大している。そこに加わったのが、今回の歳出拡大だ。18年度歳出法の根拠となった18年2月の「超党派予算法」によれば、18、19年度の歳出は、11年に定められた上限を、合計で約2000億ドル(約21兆円相当)上回る。減税の半分程度の規模の歳出拡大が積み上げられ、さらに財政赤字が増加した。

 見逃せないのは、こうした財政規律の緩みが、「小さな政府」を標榜してきたはずの共和党によって実現したことだ。上下両院で多数党を握る共和党は、財政赤字の拡大を止めようとはしなかった。

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