エリート財務官僚・佐川氏(写真左)と有名ヤメ検弁護士・熊田氏(同右)が熟慮を重ねたとは到底思えないほど、証言はリスクコミュニケーションの「定石」からは大きく外れていた 写真:つのだよしお/アフロ

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エリート財務官僚としてキャリアを築いてきた佐川宣寿氏と、補佐人の有名ヤメ検弁護士――官僚答弁とリスクコミュニケーションの真髄を知り尽くしているであろう「チーム佐川」が、証人喚問では驚くような稚拙な物言いをした。その背景には、どんな事情があったのだろうか?(ノンフィクションライター 窪田順生)

補佐人は有名ヤメ検弁護士なのに…
超初歩的ミスを犯した佐川氏

 あそこまで証言拒否を連発したのに、首相の関与がないことだけは自信満々で断言するなんて、この期に及んでまだ必死に首相をかばっているに違いない――。

 そんな怒りの声が日本中から上がっている佐川氏の証人喚問。この評価については既にさまざまな論客が語っておられるが、リスクコミュニケーションを生業としている立場から、ひとつだけどうしても解せないというかモヤモヤが残ったことを指摘させていただく。

 それは、なぜ佐川氏が「断言」という、リスクコミュニケーションにおける超初歩的ミスを犯してしまったのか、という点だ。

 今回こういうことになってしまったが、佐川氏は財務省のエリート街道を歩んできた御仁で、これまで数々の国会答弁を経験してきた手練のスピーカーである。

 また、佐川氏が証言をする際にたびたび相談をしていた「補佐人」の熊田彰英弁護士は、東京地検特捜部にも在籍していた有名なヤメ検弁護士で、テレビの刑事ドラマで法律監修を務めるほか、甘利明・元経済再生相や小渕優子・元経済産業相のスキャンダル対応も担当するなど、リスクコミュニケーションのプロ中のプロだ。

 そんな経験・実績ともに申し分ない「チーム佐川」にもかかわらず、今回の証人喚問は野党に突っ込んでください、と言わんばかりの雑な回答だった。なかでも理解に苦しむのは、安倍首相夫妻や官邸の関与を明確に否定したこと。これは、お2人のこれまでやってきたことと真逆のような、稚拙なもの言いだった。

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