お金の存在がストレスになっていませんか?(写真:Topicimages / PIXTA)

100万部突破のベストセラー『ユダヤ人大富豪の教え』著者の本田健氏が、大人のための知的好奇心マガジン『ACT4(アクト・フォー)』に寄稿している連載企画から、その内容を一部抜粋、加筆してお届けします。


「もっと、お金があったらいいのに」

そう思っている人は多いはず。でも、収入が増えても、すぐに無くなってしまうことがあります。お金を稼ぐ時も、使うときもストレスを感じるといったことは、誰もが経験しているのではないでしょうか。

また、お金持ちになったら幸せになれるかというと、必ずしもそうではありません。お金がないのも大変ですが、お金がありすぎても苦しくなることがあります。

お金と上手につきあえない2つの理由

一体、なぜそうなってしまうのでしょうか。理由は2つあります。

ひとつには、お金と上手につきあうのが、現代ではとても難しいからです。お金を得る際には、一生懸命に知恵をしぼったり、汗をかいたりして、大変な努力が必要です。けれども、使うときには、知性も努力も必要ありません。また、収入が増えるたびに購入する物やサービスのグレードも上がっていくことが多いので、みんなお金に困ってしまっています。

人がお金と上手につきあえないもう一つの理由は、私たちが「お金が人の感情を動かすこと」をよく理解していないからです。お金をもらうとき、払うとき、無意識のうちに感情が動きます。お金に関して不安を感じたり、イライラを感じたりしているわけです。それは、どれだけ稼いでいるか、資産を持っているかに関係ありません。お金に対して様々なことを感じますが、「足りなくなったら困る」、「どうして、もっと入ってこないのだろう」といった感情的なストレスは、離婚の原因になるぐらい影響力があります。

現代では誰でも大切だと思っている割に、お金について小さな頃から教育を受けてきた人はほとんどいません。そして、大人になってからも、誰かに教えてもらう機会はありません。

今まで多くの人に「あなたにとってお金とは何ですか?」と質問してきました。驚くことにその答えは、人によって全く違います。ある人は金は神様だと言い、ある人は金は悪魔だと言います。また、愛だと言う人もいれば、単なる奴隷だと言う人もいました。この多種多様な答えが、お金の存在の意味が人によって違うのかを示しているといえるでしょう。

見かけ上は、お金は単なる紙や金属です。しかしその紙に印刷されている図形やコインの色や形の違いに、人は一喜一憂します。その種類で、人は怒りもすれば、にっこりもします。でも、同じ紙と金属でできている子供銀行のお金には、人はこれほどまでに興味を示しません。

なぜでしょうか。それは、本物のお金であれば、何でも好きなものに交換できるからです。つまり、お金の本当の素晴らしいところは、「交換できる機能」にあるわけです。お金さえあれば色々なことができると多くの人は信じています。そういう人にとっては、お金は全能のパワーであるということになります。

お金は、人によって全く意味が違いますので、自分がどのような意味をお金に見出しているのかを調べてみましょう。代表的なものとして、お金は自由、お金は幸せ、お金は自分の価値、お金はパワー、お金は安心、お金は愛、お金は友情、お金は魔法の力などがあります。

あなたはお金をどのように考えていますか。

お金を欲しがる7つの理由

お金と健康的につきあうには、自分が「どうしてお金を欲しがるのか」を理解しておく必要があります。その理由がわからなければ、あなたはお金のパワーに翻弄されるままです。

私たちがお金を欲しがる7つの理由を心に刻んでおきましょう。

【1】生活のため

たいていの人は、生活のためや食べていくために働いています。注意しなければいけないのは、どこからが最低限の生活のためで、どこからが、快適な生活をするためなのかということをはっきりさせることです。

驚くことに、欲しくもないのに周りの人が買っているからという理由で、ブランドものや車などを買っている人が多いのです。車のローンの返済のために、残業をしなければならないとしたら、車はレンタカーにして、残業をやめた方が生活はシンプルになります。

自分が本当に欲しいものと、生存のために必要なものの違いを見極めることが大切です。そうしなければ、たいして大切でないもののために、命をすり減らすことになりかねません。

【2】安心感を得るため

お金があればいざという時に安心だと思っている人は多いでしょう。万が一の時が心配なので、安心を得るためにお金が欲しいのです。

よりたくさんお金を稼ぐことに血眼になるより、自分の内側の不安を見つめる方が効果的だと思います。将来の不安はお金だけで解決できないことを知っておくだけでも、役に立つと思います。

【3】パワーを手に入れるため

お金は自分の好きなものと変えることができます。権力志向の人の中には、お金を貯めれば貯めるほど、自分はパワフルになれると勘違いする人がいます。ですが、いったんお金の権力の魅力にはまると、それは中毒化します。

【4】愛や尊敬、友情を得るため

お金で得られる友情や愛情、尊敬は表面上の脆いものです。これらはお金がなくなると同時に消えてしまいます。ですので、お金を失う恐怖も倍増することになります。

【5】自由を得るため

お金は多くの人にとって自由の象徴です。お金がたくさんあれば、遊んで暮らせると考えている人は多いのです。ですが、いくらお金があっても、自由を手に入れられるとは限りません。なぜなら、自由は心の状態の反映だからです。

【6】社会を見返すため

小さい頃、貧困生活の中で苦しんだ人は、社会を見返すためにお金を欲しがります。そして、成功すると、大きな家を建てたり、高級車に乗ったり、ブランド物で身を固めて、自分が成功者であることを誇示しようとする傾向にあります。


『ACT4 』vol.82(インプレザリオ)。書影をクリックするとACT4onlineにジャンプします

しかし、冷静に考えてみると、見返す対象がはっきりしませんし、いったんこの地獄にはまるとなかなか抜け出せません。なぜなら、このタイプの人はつねに周りに馬鹿にされているように感じているからです。周りの人から自分がどう見えるかを、自分の行動基準にしています。

いくら稼いでいても、湯水のように使っていては、経済的安定は得られません。このタイプの人が求めているのは「社会からの承認」です。社会から承認されると感じるまで、欲求が満たされることはありません。

【7】愛や感謝を表すため

両親にプレゼントや、恩人にお礼がしたいからとお金が欲しいというものです。社会に還元するために欲しがる人もいます。いちばん理想の形ですが、なかなかこのような形でお金を望む人はいないのが現実です。

気をつけることがあるとすれば、「いま現在はお金がないので、感謝を表せない」と思い込むことです。愛や感謝を表すのに、多額のお金はいりません。その人の気持ちのほうがはるかに大切です。