小さなショップで体感する
台湾の大地の恵み

 豊かな食文化を誇る台湾。ここ数年は食の安全に対する関心が高まり、有機栽培や自然農法の食品を扱うショップが増えています。そんな中、ひと際注目を集めているのが「土生土長」。ここでは台湾各地の優良農家とタッグを組み、オリジナル商品を開発しています。


土生土長とは「この土地で生まれ、この土地で育ったもの」という意味。

 店を切り盛りするのは顧瑋さん。数々の食に関するプロジェクトに携わってきた経験があり、若いながらも業界では一目置かれる存在の人物。名門・国立台湾大学で医学の勉強をしてきた才女でもあり、企画力はもちろんのこと、「台湾の優れた食材を広めたい」という熱いハートの持ち主です。


起業した理由を尋ねると、「食いしん坊ですから……」と笑う顧さん。

 店の最寄り駅はMRT東門駅。庶民の台所として賑わう東門市場を通り抜け、金山南路を少し北上すると見えてきます。古民家風の可愛らしい外観が印象的です。

 店内にはウーロン茶やハチミツ、ドライフルーツ、伝統菓子のほか、台湾風グラノーラや台湾原住民族のスパイスといった珍しい商品もあります。商品数は多くはありませんが、その一つ一つから台湾の豊かな自然が感じられます。


いずれも大量生産はできないので、売り切れたら来年まで待つことに。こうした一期一会の出会いも楽しみの一つ。

懐かしいけれども新感覚〜米菓子

◆米果(台湾風おこし) 200〜250元


ジンジャー・リリーは白い百合のような花で、てんぷらやチマキの具材にも用いられます。

 台湾の伝統菓子である「米果」を現代風にアレンジしたもの。台湾東部と南部で栽培されたこだわりの有機米を使用。醤油やウーロン茶、コーヒー、キンモクセイ、野薑花(ジンジャー・リリー)など、計8種類の味があります。

 おすすめは台湾らしさを感じられるジンジャー・リリー味。これは初夏から秋にかけて野山に咲くショウガ科の花のこと。一口食べると、ふんわりと優しい香りが鼻孔をくすぐり、口全体にさわやかな甘さが広がります。

完全グルテンフリーの台湾グラノーラ

◆発芽雜穀米香 300元


特製ピーナッツ油やハチミツなど、素材は独自に開発したものだけを使用。安心して味わえます。

 ここ数年、台湾でも人気を博しているグラノーラ。ここでは自然農法で栽培された赤米や紫米、アワ、赤ハトムギを使用しています。これらは発芽処理をしているので、通常のモノよりも栄養価が高く、ビタミンや疲れ目に効くというアントシアニンが豊富に含まれているとのこと。

 また、カボチャやヒマワリの種、アーモンドなども入っており、サクサクとした食感を楽しめます。麦類を一切含まず、完全グルテンフリーなのも嬉しいところです。

稀少な有機ドライパイナップル

◆鳳梨花果乾 270元


花びらのような形をした可愛らしいドライパイナップル。一袋に約2個分のパイナップルを使用しているという贅沢さ。

 台湾の南部、高雄産の有機パイナップルを使用。防腐剤や香料などの人工添加物や砂糖は一切含まれていません。自然な甘さがギュッと凝縮されており、同時に、ほど良い酸味も感じられます。

 また、低温乾燥させているので、色が明るく、適度な歯ごたえがあるのも特色。夏場と冬場で甘さは異なり、夏場のものは特に甘みが強く、色も濃くなります。そのほか、赤い果肉のドラゴンフルーツを用いたドライフルーツも人気。こちらもおすすめです。

台湾原住民族が愛用する「山胡椒」

◆日曬乾燥馬告 450元


ペッパーミルを用いて料理にふりかけるのもおすすめ。

 馬告(マーガオ)とは台湾原住民族が好んで使用するスパイスのこと。ここのものは台湾東部の花蓮県にあるアミ族の集落で栽培されたもの。レモングラスのようなさわやかな香りとちょっぴりスパイシーな風味が魅力です。

 クセはなく、そのままスープやサラダに入れたり、蒸し魚や焼いた肉に和えてみたりと、万能です。普段の料理を気軽にエスニック風にアレンジできるので、料理上手になった気分を味わえるかも。

食通の間でも話題のピーナッツ油

◆発芽花生油 600元 


ピーナッツにはビタミンEが多く含まれ、血液がサラサラになるだけでなく、老化防止の効果を期待できるかも。

 瓶を開けると、ふわっと香ばしい香りが広がるピーナッツ油。台湾中部の雲林県のピーナッツを使用した看板商品です。店では長い時間をかけてピーナッツを発芽させており、種には豊富な栄養素が含まれています。これを低温で焙煎し、少量ずつ油を搾り取ることで、酸化を防いでいます。

 「正直なところ、経済効率は良くはありません。しかし、一度使ってもらえれば、品質の良さにリピ買いしたくなるはずですよ」と、顧さんがイチオシする人気商品。

台湾で愛される愛玉ゼリーの素

◆野生愛玉籽 300元


身体の熱を取り除く効果があると言われ、暑い夏におすすめのデザートです。

 台湾語で「愛玉子(オーギョーチ)」と呼ばれるゼリー。これはナイトマーケットなどでもよく見かける定番の台湾デザートです。

 その原料となるのはクワ科イチジク属のつる性植物の種。この種子をガーゼに包み、水の中で約10分ほど揉むと、寒天状のものができあがります。これを冷蔵庫で固め、レモンシロップなどを加えると完成。

 難易度が高いと言われる愛玉子作りですが、ポイントは硬水のミネラルウォーターか、一度沸騰させて冷ました水を用いること。ぜひトライしてみましょう。

眠れない夜に飲みたい「油菊花茶」

◆高山油菊 200元


最盛期は冬場なので、夏前には売り切れてしまうことも。

 台湾原生種の小さくて可愛らしい油菊の花。これは台湾東部の花蓮県玉里産で、中海抜の山間部で有機栽培されています。日干しした後に低温乾燥させ、本来の色や香りを失わせないようにしています。

 お湯を注いで飲むもよし、また、プーアル茶やウーロン茶などに加えて飲むもよし。リラックス効果があり、かつ、カフェインレスなので、眠る前に飲んでも問題はありません。眠りに入りやすくなると言われているので、安眠できない方におすすめしたい一品。

土生土長
(トゥーセントゥーツァン)
所在地 台北市中正區金山南路一段81-4號
交通 MRT東門駅2番出口から徒歩約5分
電話番号 02-2356-4650
営業時間 11:00〜20:00
定休日 不定休
https://www.facebook.com/ontheground.taiwan/

文=片倉真理,撮影=片倉真理・片倉佳史