アルファード "Executive Lounge"(トヨタ自動車の発表資料より)

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 トヨタ・アルファード/ヴェルファイアの人気が高いようだ。2018年1月8日マイナーチェンジしたが、その「面構え」はますます派手になり、押し出しが強くなった。メッキをこれほど使うデザインが受け入れられるのか?と考えさせられた。

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 現在、日本市場ではすっかり市民権を得たミニバンだが、その元をたどれば「商業用ワンボックスバン」と言える。40年ほど前、自宅を建てるときに現れた大工が、出稼ぎで働きに来た大工だった。かれはワンボクッスバンに大工道具をのせ、現場で寝泊まりしていた。電気毛布を使い、寒空でも「車中泊」で数カ月頑張っていた。

 そのころ、現在のミニバンの原型ともいうべきワンボックスバンは、リジットアクスルに板バネで、トラックと同様の足回りであった。内装と言えるものは装備されておらず、窓には荷物がガラスに当たるのを防ぐ防護バーともいうべきシャフトが取り付けられていた。その時「しかしこれは良いかもしれん!」と思った。なぜなら、当時欧米で流行っていると伝えられていた「キャンピングカーに使えるかも」と感じたからだ。その後、トヨタのトップセールスマンが自分の自家用車として使っていたのがワンボックスバンであったことで、その思いは強く印象付けられた。

 しばらくして子供が増えて大型車に乗るようになったのだが、あの時現在のミニバンがあれば、どれほど便利であったことだろう。家族がある家庭では、奥さんが子供の面倒を見ながら家事を進めるにもミニバンは好都合で、軽の実用車でも「トール」の利便性が高いのがよくわかる。

 しかし、そのフェイスのデザインが「これほど派手」なのは理解に苦しむ。トヨタ社内では“もっと華美なデザイン”と“大人しいデザイン”の両方が検討されていたようだが、確かにこのようなデザインをすると販売成績が上がるようだ。新型ヴェルファイアの“Royal Lounge(ロイヤルラウンジ)”なども登場し、VIPが運転手付きでの乗る車に好評のようだ。しかし、例えば企業のトップが、これほど派手な車に乗って得意先へ訪問するときなどは、評判に響かないのであろうか?わたしも経営者で運転手付きで移動していた時も長いのだが、できる限り小型の商用車に乗ることが得意先の評判も良く、社員たちも社長が「贅沢をせず仕事第一の姿勢」を示すことに快く思っていると解釈してきた。押し出しを強くして「威嚇するような姿勢」はできるだけ避けてきた。

 時代は変わって、若い人たちが周囲の人たちを「威嚇している姿勢」をよく見かけるようになった。かつては「チンピラ風」とさげすまれた態度が、もてはやされる空気があるのであろうか?どちらにしても「謙虚さ」が貴ばれる日本的風土よりも、「個人的主張を押し出す」時代に入っていることは事実だ。「ファンドの活動が盛んになると共に、ミニバンの風貌もギンギラになってきた」と結び付けてはいけないのであろうか?