大西前社長時代の施策を否定する流れが強まるも、その先が見えない三越伊勢丹HD。都心店舗の好調さはいつまでも続かない Photo by Satoru Okada

写真拡大

2017年3月の衝撃的な社長交代を経て杉江俊彦社長の新体制がスタートし、1年が過ぎた三越伊勢丹ホールディングス(HD)。4月1日付の幹部人事を見ると、杉江氏に近い企画や管理畑と共に、旧三越勢力の復権が目立つ。新たな施策も弥縫策で、あるべき百貨店像はやはり見えない。(「週刊ダイヤモンド」編集部 岡田 悟)

「好きにすれば?」──。2年前の国民的大ヒット映画の石原さとみさんのせりふではない。百貨店業界最大手、三越伊勢丹ホールディングス(HD)の杉江俊彦社長は、部下から提案や相談を受けた際、このように言葉を返すことが多いという。「こちらの話を否定はしないが、自分が責任を取るからやってみろとも言わない中途半端な姿勢」(ある三越伊勢丹関係者)。

 現在は特別顧問の地位にある石塚邦雄前会長と組み、大西洋前社長を実質的な退任に追い込んで社長の地位に就いた杉江氏だが、それから1年を経て、社内の求心力を高めるには至っていない。

 まず業績面。2018年3月期の連結純利益は前期比46.6%減の80億円となる見通しだ。この減益は、リストラ費用などを計上したため想定内としている。ただ、百貨店の事業会社である三越伊勢丹の17年4月〜18年2月の累計の売上高は、前期比98.7%。郊外の支店の売り上げが伸び悩み、足を引っ張っているのだ。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)