出張の日当は廃止、タクシー伝票1枚にも噛み付き、諸手当も容赦なく減額――優秀な人材がことごとく流出し、組織を崩壊させる「ダメ幹部」は、なぜ出世できたのだろうか

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恐怖のケチ男が支社長に!
振り回される社員たち

 筆者の友人の日本人で、オーストラリア国籍の企業に勤めている人がいる。

 彼はそのマレーシア支社に勤めており、そこでは3番目くらいに責任のある仕事を行っている。社員はオーストラリア人だけでなく、マレーシア人、インド人、イギリス人の他、数ヵ国の人々が働いている、まさにダイバーシティ経営を絵に描いたような組織だ。
 
 だが彼によると、そこの会社はトップマネジメントに問題があるという。支社のトップである支社長は、オーストラリアから来ることが多い。4年前に来た現在の支社長もオーストラリア人で、オーストラリア内の系列社から、こちらに来たそうだ。

 白人男性であるその支社長は、来てみると非常に問題の多い人物だということが分かった。一言で言えば非常に官僚的で、すべてについて細かいルールを作り、それに沿って判断する。例外は認めない。お陰で、4年前に比べて、細かいペーパーワークが山ほど増えて、営業や開発などの人たちは本当に重要な仕事への時間が書類仕事に取られてしまっている。

 また、予算についても厳格で、社員の出張時のホテルのランクやレートを支社長自らがチェックし、細かいところまで聞いてくる。なぜ電車ではなくてタクシーを使ったのかと問いただされ、「長期出張なので荷物が多かった」と答えたら、荷物の重さがどの程度あり、その重さだとなぜタクシーが必要になるか理由書を書いてこいと言われた。頭に来た社員は数ページにわたる理由書を書いたが、結局却下された。

 社員を昇進させる代わりに、その社員がもらっている手当を辞退させる約束をさせ、昇進後の給料がほとんど変わらなかった人もいるという。その社員は、私の友人が見る限り、将来の幹部候補となれる優秀な人材で、人望も厚い。そんな人材に対して、あまりな仕打ちをしたわけだ。

 また、その支社長は極端にリスクを嫌い、仕事、特に予算に関することを誰かに任せる、ということをしない。出張では日当を廃止し、レシートベースでの実費精算に切り替えた。そのお陰で、経理の仕事が膨大になったばかりか、前述したタクシー代の話以上に細かいことでクレームをつけ、出張経費を払い渋るという。

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