日本株は、底入れしたかもしれない(撮影:尾形文繁)

世界的な株安の連鎖は止まったのだろうか。3月27日の日経平均株価は前日比551円高の2万1317円となった。依然予断は許さないものの、テクニカル面から株価をみると日本株は売られすぎのシグナルが見受けられる。今後の株式市場の見通しを探ってみた。

NYダウは下落したが、相場は崩れていない

米国のトランプ米政権による、「過度な保護主義」が市場を揺らしている。過去を振り返っても、通商摩擦による貿易量の減少は株安を招いたことも少なくなく、市場参加者は「好調な世界経済に水を差しかねない」となお警戒している。

しかし、テクニカル面から見ると、少し話は別だ。たとえば米国の代表的な株価の指標であるニューヨーク(NY)ダウをみると、足元の急落は調整からの反発局面に入ったともいえる。ポイントとしてあげたいのは2つ。長期の売買コストである200日移動平均線の位置と、4月相場のアノマリー(法則などからは説明できないような事象)だ。

まずは200日線から見ていこう。2018年1月は米減税効果への期待からNYダウは取引時間帯中に一時2万6616ドルの史上最高値をつけた。

だが、2月のいわゆる「恐怖指数ショック」で相場が急変。3月に入ってからの貿易摩擦懸念でさらに下押し、1月高値からの下げ幅は一時3000ドル超に達した。

それでも、3月23日に前述の200日線(2万3300ドル台)に接近したのち、3月26日は2万4202ドルまで大きく反発している。当面は200日線が下値めどとして意識されそうだ。

また今年の相場を見ると、笑われてしまうかもしれないが、春の米国株は、堅調な傾向がみられる。実は、2006年以降、4月のNYダウは12年連続で前月比上昇している。大型減税やインフラ投資による米景気の底堅さが再確認されれば、今後の米国株は戻りを強めることも想定される。

日経平均株価も「売り方の買い戻し」等が加速?

一方、日本株もここからは回復基調を辿る可能性もある。

足元の日本株の急落は、海外勢による売り越しと、短期筋の空売りが重なったもようだ。ただ、需給面では売り一巡を示唆するデータも散見される。日本株の売買シェアの7割近くを占める海外勢は、10週連続で売り越しており、累計の売り越し額(現物+先物)も8兆円台まで膨らんだ。だが、たとえば、2016年初に日本株が急落した局面(主な原因は原油安)では、海外勢による売り越しは11週連続で一服している。

また、3月23日には東証の売買代金に占める空売り比率が一時50%を超えたが、これは統計開始以来の最高水準だった。目先の一段安を見越した短期筋が増えたとみてよい。3月26日の日経平均は一時2万0347円まで売られたが、年初来ベース(2017年末2万2764円)ではマイナス10%超に達しており、「下げすぎ」とみた買いが入った。場中に切りかえしたため、意外だった投資家も多いと思うが、急速に切り返したのには意味があるとみたほうが良さそうだ。

今後はどうなるか。確かに、貿易摩擦やドル安円高による企業収益予想の鈍化懸念は気がかりだ。だが、4月下旬から始まる国内企業の決算発表をきっかけに、好業績銘柄の見直し買いがおこり、相場に底堅さが戻ってくるのではないか。

最後に今後の日経平均株価のテクニカルポイント(3月26日時点)を挙げておこう。

2万5040円 年初来+10%
2万4124円 2018年1月高値
2万2764円 2017年末値
2万1306円 200日線
2万0868円 2015年6月高値
2万0766円 2018年3月26日終値
2万0543円 25日線-5%
2万0487円 年初来-10%
2万0256円 75日線-10%

もし4月のNYダウが堅調となれば、日本株を売り越している海外勢や空売りを膨らませている短期筋の買い戻しが加速することもあろう。日本株が戻りを強める素地は整いつつある。