何故「円高」がかくもハイピッチで進んでいるかは、詳細は専門家の見解に委ねる。だが円高を伝えるメディアがいま「米中貿易戦争の危機」を見出しに、円のドルに対する急速な値上がりを伝えているのは紛れもない事実。動向を見守りたい。

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 高校生の頃だったか「為替」なる二文字を理解し難いながらも、「為替相場で円がドルに対して安くなると輸出企業が有利。逆の場合は輸入企業が有利」と試験用に丸暗記した記憶がある。基本はその通りである。だが今年の東京外為市場は1ドル:112・65円で始まった。それが先週末には104・62円まで上昇した。多少なり仕事上「株式・為替市場」と関わりを持つ身としては「基本」論の範疇を繰り返していたのでは、誰も耳を傾けてくれない。例えば「円高に強い代表企業は」と問われたりする。とりあえずは「ニトリ、ファストリテーリング、ABCマートが御三家と言われる」とし、「各社とも海外で製品を生産し、一括購入している。だから安価で売ることができ円高を味方にすることができる」と説明する。だが失礼な言い方かもしれないが昨今の(個人)投資家は「欲張り」。他の角度からも「円高に強い企業」を説明しろ、と迫られる。「投資は自己責任」と断った上で、例えば医療機器のテルモなどを説明する。周知の通り同社の事業領域は3つ。以下のような次第だ。

*心臓血管カンパニー: カテーテル(細い管)を血管に通して診断や治療を行う血管内治療と、心臓血管外科手術が両輪。*ホスピタルカンパニー: 治療や処置の手順に合わせた製品のシステム化や、ITを活用したデータ連携による医療現場の安全・効率を高めるプラットホームの提供。*血液システムカンパニー: 献血で提供された血液を製剤化し、事故や手術で大量の血液が失われた患者や正常な血液が作れない患者に輸血する。万一にも純粋でない血液製剤を作るための機器・システムを手掛けている。

 そうした説明に頷きながらも個人投資家は「だから、なんで円高に強いの」と追及してくる。そんな質問が出てくればしめたもの。「テルモの機器の総売上高に占める海外比率は64%。それだけ必要とされているということ。円高分を埋める価格施策が可能になる。価格支配権を持つ企業は円高にも強い」と説明する。

 円高に強い企業。相場のテーマとして浮上してくるのではないか。