投資家がフェイスブックに抱く5つの懸念

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英コンサルティング会社ケンブリッジ・アナリティカを巡るスキャンダルを受け、フェイスブックの株価は3月16日からの22日までの間に10%下落した。およそ5000万人以上のユーザーの個人情報が不正に利用されていたことが、明るみに出たためだ。

英紙オブザーバーなどが、「フェイスブックのユーザーである米有権者の個人情報が不正に取得されたことが2016年の米大統領選でのドナルド・トランプの勝利につながった。そして、英国の欧州連合(EU)からの離脱を決めた国民投票にも、多大な影響が及んだ」と伝えている。

そこで問題となるのは、同社のリーダーたちがこの件に関して具体的に何を知っていたのか、あるいは知らなかったのかということだ。なぜ同社の創業者であるマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)とナンバー2のシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)は問題が明らかになって以降、何日も沈黙を保っていたのだろうか。

CEOとCOOの認識の程度

この問題をきっかけに改めて問題視されるのは、フェイスブックのユーザーに関する大量のデータを共有していたアプリが他にもあったのかどうかという点だ。サンドバーグは先ごろ、フェイスブック上に文章を投稿。同社は2014年に行ったプラットフォームの変更によってアクセス可能なデータを大幅に削減したが、それ以前に大量の個人情報へのアクセスが可能となっていた全てのアプリについて、現在調査中だと説明した。

このメッセージは、まさにザッカーバーグがこの問題について先に述べたとおりの内容だ。そして、この文章が暗に示すのは、過去数年間に他のどのアプリがフェイスブックのどのようなデータにアクセスしていたか、同社が把握できていないということだ。

大量のデータを流用していたのは、ケンブリッジ・アナリティカだけかもしれない。だが、そうではないかもしれない。私たちにもフェイスブックの株主たちにも、それはまだ分からない。投資家たちは”神経質な猫”のようにコロコロと態度を変えることがあるが、そうしたときの彼らの不安感は、不確実性が増すほどより明確に示されるようになる。

「沈黙」の理由

ザッカーバーグらが問題の発覚後すぐに反応を示さなかったことが、投資家たちに不安を与えたことは間違いない。彼らはなぜ黙っていたのか。事態を把握しようと努めていたと説明したところで、それで十分な答えになるわけではない。だが、「問題について調査中」「すぐに報告する」などと言っておくことはできたはずだ。

2人に代わるリーダーの存在

ザッカーバーグとサンドバーグが職を辞する可能性は低い。だが、仮に彼らがフェイスブックを去るとして、誰がその穴を埋めるのだろうか?ふさわしい人物はいるのかもしれないが、それが誰かは不明だ。どちらか一人が辞職する可能性が出てきた場合、後継者に関する不安は高まることになるだろう。

マイスペース同じ未来?

ソーシャルネットワークはいずれも、完全にその成功をユーザーベースに依存している。スキャンダルを受け、多数のユーザーが相次ぎ退会する事態となれば、それはフェイスブックにとって問題となり、株主にとっても問題となる。ソーシャルネットワーキングサイト、マイスペースの例を見てみれば、そうした問題は起こり得ると考えることができる。

2003年に創業したマイスペースはわずか数年の間に、ソーシャルネットワークの世界での支配的な立場から、”落伍者”の立場に転じた。あまりにも大幅に信頼を失うことがあれば、あるいはユーザーの多数を失うことになれば、フェイスブックが死のスパイラルに陥る可能性もある。

自らへの「規制」を要請か

ザッカーバーグは一見、政府に自社(そして明言はしないものの業界全体)への規制強化を求めているようだ。そうであれば、倫理的な行動を取っていると言えるかもしれない。自らの過ちを認め、再び同じ過ちを犯さないようにするための支援を求めているように見受けられる。創業者のメッセージとしては、誠実なものと捉えることができるだろう。だが、私たちが本当のところ知ることは難しい。

政府がある業界に対する規制を導入すれば、得をするのは大手企業だ。考え得る最も複雑な規制構造が取り入れられたとしても、大企業であるフェイスブックは大勢の弁護士を雇い、それを切り抜けていくことができるだろう。最大の打撃を受けるのは、十分な資金がない同業のスタートアップだ。この点についてフェイスブックにコメントを求めたが、今のところ回答は得られていない。