フリーテルが復活へのスタート 起死回生の新製品「REI 2 Dual」にみる独自開発の技術力と可能性とは

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フリーテルは2月16日にSIMフリースマートフォン「FREETEL REI 2 Dual」を発売した。

REI 2 Dualは、2016年に発売したフラグシップモデル「REI(麗)」から1年以上間を置いての発売となる。

製品サイクルが早いスマートフォン市場において、これだけ長い期間が空くことは稀なことだ。

そこには事情があった。

フリーテルは、プラスワン・マーケティングの携帯端末の開発と販売するブランドとして立ち上げられ、さらに事業を拡大しNTTドコモの回線を借り入れたMVNO(仮想移動体通信事業者)サービスを開始した。


<昨年12月の楽天モバイルの発表会より>


しかし、MVNOとフリーテル製品を取り扱う店舗の設置するなどの事業の拡大に対して結果が伴わず、3期連続の赤字を計上した。
特に結果が出せなかったMVNO事業は、楽天モバイルに譲渡された。
楽天モバイルは、フリーテル契約者を取り込んだことで、個人向けシェアを昨年9月の段階で1位とした。




それでもフリーテルの業績は好転しなかった。
昨年12月、民事再生法の適用を申請。携帯端末事業をMAYA SYSTEMに譲渡し、フリーテルブランドは継続することとなった。

フリーテルは、MAYA SYSTEMのもとで1からのスタートとなる。
しかし、これまでのマイナスのイメージが残っていることもあり、マイナスからのスタートと言っても良いかもしれない。

イメージ回復には、今後、提供する製品が重要だ。

REI 2 Dualの発売前に行われた発表会では、
これまでの日本クオリティで品質管理を行っていたODM(Original Design Manufacturing)から、フリーテル自らデザインおよび設計・開発するだけでなく、ソフトウェア開発まで行った
「世の中にここにしかない」
オリジナルモデルであることを強くアピールした。

ただし製造は、フリーテルではなくEMS(Electronics Manufacturing Service)に委託。

開発は台所事情が複雑だったプラスワン・マーケティング時代の2017年 春からスタートし、夏を目処に発売を予定していたと言う。

ところが、これまでのODMから自社開発に切り替えたことで、Qualcommのチップセット「Snapdragon 625」の採用と新開発のデュアルカメラの開発に、想定以上の時間がかかることが判明し、2017年12月発売へと変更になった。

そして、12月の民事再生の申請に伴い、資金繰りが難航して生産はストップした。
こうした混乱の後、MAYA SYSTEMがスポンサーとなったことで、ユーザーサポートも機能するようになり、ようやく次のステップへ進むことができるようになった。

そして今回のREI 2 Dualを含む新モデルの発売に至ったとのことだった。

こうした複雑な背景のものと世に出されたREI 2 Dualについて、今回はチェックしてみたいと思う。




REI 2 Dualは、前述した通りミドルレンジのチップセットSnapdragon 625を搭載し、4GBのRAMと64GBの内蔵ストレージを搭載する。

画面は5.5インチフルHD(1080×1920ドット)IPS LTPSで、アスペクト比は16:9である。2018年に発売されているスマートフォンは、18:9などの縦に長い画面や、アップルの「iPhone X」のような”ノッチ”が付いた画面がトレンドだ。
そのためREI 2 Dualの画面は、インパクトは薄いが、販売価格36,800円(税抜)のモデルとしては、十分なスペックである。

デザインもメタルサイドフレームと透明感のある背面処理など、トレンドをしっかりと抑えている。しかしながら、当初の予定通り2017年の夏に出ていればと思えるほど、他社のモデルと比べて、やはり個性が乏しい点は否めない。

とはいえ、SIMフリースマートフォンとしては汎用性も重要だ。
SIMフリースマートフォン市場では、幅広い選択肢の中から、自分にあった性能やサイズ、トレンドを抑えた製品を価格から選べることは、ユーザーニーズに対して重要なポイントとなる。
通信事業者が提供する個性的ではあっても、ユーザーを選ぶようなモデルは、SIMフリースマートフォン市場では一部に過ぎないからだ。





背面にはソニー製の1,300万画素CMOSセンサー「IMX258」を2つ搭載し、それぞれRGBのカラーイメージとモノクロイメージを撮影する。
カメラ機能として「ボカシモード」があり、タッチでピント位置を決めると手前と奥をぼかすことができる。


<撮影後にピント位置やボケ量を調整することも可能だ>


初めてチャレンジするデュアルカメラとカメラアプリの開発に時間が掛かったと言うことだが、スマートフォンのカメラのトレンドでもあるこの機能を開発できると言うことは大きな意味を持つ。

例えば、
ダブルレンズカメラを早くから製品化しているファーウェイは、その蓄積されたノウハウによって、今やハイエンドモデルだけではなくエントリーモデルにもダブルレンズを組み込めるほどコストダウンが可能となっている。

他ができていない領域に製品を投入することが勝利の法則であると同時に、ほかがやっていることを取り込めない製品は訴求ポイントが低くなってしまう。

そういった意味では、日本のスマートフォンメーカーのなかで、
ソニーでもなく、富士通やシャープでもなく、フリーテルがまず製品化したという意義は大きいのである。

すくなくとも、フリーテルは国内でも、海外メーカーと対等に戦える技術力があることを証明できたからだ。




そして気になるREI 2 Dualのカメラ性能をみてみよう。
次の写真は、曇天での撮影だ。
曇天時は、条件的に光が回らないため、メリハリを表現するのが難しい天候だ。
全体的にノイズリダクションが強めにかかっているため、解像感が低く全体的に眠い絵になっている。




それでもレインボーブリッジの一部に太陽光が当たっているという光の変化は、しっかりと描写されていた。




カメラの設定を色々変更してみて撮影を試みたところ、HDRで面白い効果を得ることができた。

通常HDRは、逆光など白飛びや黒つぶれしてしまうケースにおいて、幅広い階調を再現する機能だ。
曇天の状況下では、
黒つぶれしてしまうシャドー部分や中間調が持ちあげられることで、メリハリのある結果をもたらした。




ボカシモードでは、望遠レンズのような大きなボケではなく、被写界深度が深い広角レンズのボケを再現しているようだ。
そのため効果は弱く感じるが、写真として破綻しない効果を与えている。
とはいえ、被写体との組み合わせによっては遠景でもボケないケースがあった。
これはREI 2 Dualだけではなく、他のデュアルカメラ搭載スマートフォンでも同じ傾向が見られる現象だ。


REI 2 Dualのカメラは、モノクロセンサーの階調とカラーセンサーの色情報を組み合わせることで夜景撮影に強い点をアピールポイントとしている。




実際に夜景を撮影してみたところ、色再現と低ノイズは確認できたものの、ノイズリダクションが強烈に掛かっているため細かいディテールが失われてしまっている。
これは等倍で確認した際に気になるところだが、縮小してSNSに上げる場合であれば、それほど気になることではないだろう。

ただ、光学式手ぶれ補正は非搭載であるため、撮影時には同じシーンでも数枚撮っている。案の定、雑に撮影してしまうと手ブレが発生していることがわかる。
夜景撮影では念のために数枚撮影しておくことをオススメしたい。

カメラ機能は、今後のアップデートでさらに良くなることを期待したい。

フリーテルの今後の製品は、ミドルレンジのREIシリーズとエントリーモデル「Priori」シリーズの2本柱で展開すると言う。

また、海外で使えるWi-Fiルーターを得意とするMAYA SYSTEMの「eSIM」技術を搭載したREIシリーズを開発してその強みを活かしたいとしている。


執筆  mi2_303