Photo by 林宣昭

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高校吹奏楽に「カリスマ」と呼ばれる指導者がいる。部員5人の時代から吹奏楽コンクールの全国常連校である精華女子高校吹奏楽部を育てた後、過去数年は県大会に何度か出場していただけだった活水学院(活水高校)に2015年に異動、たった1年で全国大会に導くという快挙を達成した藤重佳久氏がその人だ。吹奏楽部というと、厳しい指導をするイメージがあるが、藤重氏は「生徒一人ひとりの能力を引き出す」ことを重視し、厳しさとやさしさをうまく使い分ける指導をする。『プロフェッショナル仕事の流儀』(NHK)に出演し、『やる気と能力を120%引き出す奇跡の指導法』(ポプラ社)も上梓した藤重氏が実践する指導法とは。(活水学院吹奏楽部音楽監督、藤重佳久)

指導法に「絶対の正解」はない

「どうすれば先生のように子どもたちを教えられるのですか?」
「活水の生徒はなぜあんなに元気なんですか?」
「よく1年目で全国大会に導きましたね?」

吹奏楽指導者である私が、ありがたいことに一般の方や指導者の方を対象にお話しするときに、よくこういったことを聞かれます。
しかし、ここに至るまでには、長い試行錯誤がありました。

38年前、プロの演奏家から教育者へと舵を切り、福岡県の精華女子高校に赴任した私は、当時部員が5人だった吹奏楽部の顧問に就任しました。

最初は、レベルを上げようと基礎練習を繰り返し、技術を教え込もうとこれまでに自分が受けてきたような音楽の専門的な教育をやろうとしましたが、生徒はついてきませんでした。

私の指導の転機となったのは、「マーチング」でした。米国で高校生を対象に発展したマーチングの方法論は「わかりやすく楽しく、目標を共有する」というもので、この教え方を実践していくうちに、練習も部員も少しずつ変わっていきました。

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