色とりどりの花が咲き、チョウなど春の訪れを伝える生き物が目覚め始めました。
この時期に動き始めるのは、かわいい動植物ばかりではありません。じつは室内に潜むゴキブリも、活動を開始しているのです。

「家で見るクロゴキブリは、約1年かけて成虫になります。冬の間姿を見せないのは、幼虫の形態だったり、寒さを避けてじっとしたりしているため。4、5月頃になると活動が活発になり、気温が上がる7、8月に大繁殖します。そのため、活動が本格化する前の3月に先制攻撃することが大事です」と教えてくれたのは、アース製薬の中辻雄司さん。 

夏に悲劇を招かないために、今しておきたい対策を教えてもらいました。


春先からの対策が重要!ゴキブリの繁殖を防ぐ心得とは?

対策の基本は、ゴキブリが繁殖する条件を知り、住みつかない環境にしておくこと。ゴキブリがウロウロすると、病原菌が付着して食中毒などを起こす場合もあります。また食品や書籍、電気系統の食害(ショート)の原因にも。
「ゴキブリは暗くて暖かく、狭い場所を好みます。台所のすみや流しの下、冷蔵庫の裏などは格好の住みか。食品や汚れた食器をそのまま夜まで放置しておくと、ゴキブリのエサになってしまいます。汚れた食器は放置せず、調理クズもすぐに取り除く習慣にしましょう」 

台所に比べて食べクズの少ないリビングにも落とし穴が。
「雑食のゴキブリは、紙類や髪の毛もエサにします。新聞紙はためず、こまめに床掃除を。またゴキブリは、電源が入り、熱をもったパソコンなどの電気製品の中に住みつくこともあります。使わないときはコンセントを抜き、コンセントを抜けないルーターなどは風通しのいい場所に置いて、周辺は清潔に保ちましょう」
ほかには、鉢植えの下なども要注意です。

一方で、どんなに自室をきれいに保っていても、排水管などから移動してきて侵入されることも…。
「クロゴキブリは一度に22〜28個の卵が入った卵鞘を、チャバネゴキブリは30〜40個の卵が入った卵鞘を生み、2〜3週間でふ化したのち、約1年かけて成虫になります。ただし、活動をはじめる時期に処理をすることで、ゴキブリの発生を大幅に減らすことができます」

部屋中にたくタイプの殺虫剤を使うのも、3月にまず先制攻撃しておくと効果的。殺虫剤に抵抗がある人、小さい子どもやペットがいる家庭などは、ゴキブリの嫌がる天然ハッカ油を配合した駆除剤・忌避剤を使うのも手です。

<イラスト/macco 取材・文/ESSE編集部>