赤い鳥居が目印の、沖合700mのところにある小さな島「名島」と、石原裕次郎の追悼で建立された葉山灯台(裕次郎灯台)の背景に富士山が見えるのは森戸神社・海岸界隈/(C)KADOKAWA 撮影=奥西淳二

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■ これぞ絶景中の絶景! 葉山からの富士山と夕日は見逃せない

【画像を見る】13年4月に「長者ヶ崎海岸」より撮影されたダイヤモンド富士/【提供/葉山町】

三浦半島の西側に位置する葉山は、海岸越しに富士山や伊豆半島の山々、江の島が見える絶景ポイント。「かながわの景勝50選」に選ばれている葉山内のポイント2カ所「長者ヶ崎」と「森戸の夕照」は、いずれも富士山のベストビュー地点。葉山からの景色を語る際には、富士山ははずせない要素となっている。とくに夕日が沈む頃の景色は、昔から多くの文豪や著名人からも愛されている。

■ 年に2度しかない「ダイヤモンド富士」の観測チャンスが4月の葉山に訪れる!

朝日が昇る瞬間と夕日が沈む瞬間に、太陽と富士山の山頂が重なり、ダイヤモンドが輝くような光景になる現象のことを「ダイヤモンド富士」と呼ぶ。富士山が見える地域ならどこからでも観測できるわけではなく、富士山が東か西に見える場所で、気象条件が良い場合にしか見ることができない。葉山からは富士山はほぼ真西に位置するため、富士山に夕日が落ちる瞬間には宝石のような輝きを放つ富士山頂とともに、空と海が茜色に染まる美しい光景を拝むことができる。

今年、葉山町でそのダイヤモンド富士が観測できる時期は春と秋の2回。その第1回目が、2018年4月6日(金)〜11日(水)ごろまでの日没時。町内で少しずつ観測地点を移動しながら見ることができる。秋は、18年9月1日(土)〜6日(木)ごろだ。間近の4月にダイヤモンド富士が観測できる具体的な地点は次の通り。4月6日(金)・7日(土)に葉山港、8日(日)・9日(月)に森戸神社、9日(月)・10日(火)に三ヶ丘山緑地、10日(火)・11日(水)に湘南国際村となっている(国土交通省調べ)。

特におすすめの観測地点は森戸神社と森戸海岸近辺。夏は海水浴場としてにぎわうエリアで、葉山の中心地ともいえる。ヨットを愛した故石原裕次郎氏の記念碑や記念灯台も建立されており、夕日に照らしだされる灯台や鳥居も美しい。明治から昭和にかけて活躍した詩人の堀口大學氏も森戸から見る富士山の景色を愛したと言われ、その姿をうたった詩も多く残る。海水浴客のいない静かな海辺で夕暮れの至福なひとときを過ごしてみたい。

■ 絶景&老舗の「レストラン ラ・マーレ」からも富士山を臨む

葉山町の海岸沿いにはその絶景を楽しむためにおいしいレストランやカフェが集結しているが、実際に食事をしながら富士山を眺めることができるレストランは実は少ない。そんな貴重な条件を満たすお店で、かつ古くから葉山に根付き、この町の歴史とともに発展してきた老舗店が「レストラン ラ・マーレ」だ。

江戸時代からこの地で商売をはじめたという「日影茶屋」(当時は「日陰茶屋」)のグループ店で、1977年に鐙摺(あぶずり)港の海辺に、白壁が印象的な美しい一軒家フレンチレストランとして誕生した。本格的なフランス料理がまだ一部の富裕層にしか食されていない時代に、「より気軽に楽しめるように」というコンセプトで、創作フレンチを提供した。初代総料理長は後に「KIHACHI」をオープンさせたフランス料理界の第一人者・熊木喜八氏。以来、地域住民はもちろん、観光客や有名人からも愛される海辺レストランとして葉山の有名店の代名詞ともいえる地位を確立した。

現在の店舗は2年前に改装を行ったばかりで、1階は無国籍料理のカフェ&ブラッセリー、2階と3階はフレンチレストランとなっている。1階では三浦半島産の食材を使用した「佐島のタコのカルパッチョ」(1,026円)や「旬の野菜のポタージュ」(540円)などが食べられる。町内にはレストラン直営の畑もあり、ドリンクやケーキに使用するハーブ類などは自家製。

そして、なんといっても美しい店構えと店内、そして窓に広がる青い海と行き交うヨットの景色が「レストラン ラ・マーレ」の最大の特徴。日常を忘れ、リゾート気分が味わえる。終日通し営業なので、どの季節でもテラス席からは夕日に色づく富士山が堪能できるのも魅力。富士絶景とおいしい料理、一流のサービス、これぞ葉山という魅力を十二分に味わうことができるレストランだ。

そろそろ外へ繰り出したくなる季節。富士山、海、夕日…美しい眺めと美味しい食事を求めて足をのばしてみよう。

【取材・文/鈴木秋穂、撮影/奥西淳二、高嶋佳代】(横浜ウォーカー)