株式市場は23日、大暴落に見舞われた。日経平均は一時、1000円を超す下げ幅を記録。終値は前日比974円安(マイナス4.5%)の2万617円だった。

 暴落のきっかけは、トランプ米大統領が同日発動した鉄鋼とアルミニウムに関する輸入制限だ。カナダやメキシコに加え、EUや韓国などは除外されたのに、日本は対象国のまま残された。市場はこれを嫌ったという。

「トランプ大統領は中国製品に対し、500億ドル(約5.2兆円)規模の新たな関税を課すと言い出しています。米中貿易戦争を先読みし、株価は暴落したのだといわれますが、市場が最も怯えているのは米中対立ではなく、日本と米国の貿易戦争勃発なのです」(株式評論家の倉多慎之助氏)

 トランプはホワイトハウスでの会合(22日)で輸入制限に関し、次のように話している。

「安倍首相と話をすると、ほほ笑んでいる。『こんなに長い間、米国を出し抜くことができたとは信じられない』という笑みだ」

 “お友達”だと一方的に思い込んでいた安倍首相にはショックだろうが、市場は冷静だ。米大統領は中国と同じく、日本を不均衡貿易是正のターゲットにすると感じ取った。

■北朝鮮リスクも再浮上

「80年代に起きた日米貿易摩擦の再燃です。日本の自動車メーカーや部品会社は大打撃でしょう」(倉多慎之助氏)

 為替市場では、リスクオフの流れが加速し、安全資産といわれる円が買われ、約1年4カ月ぶりとなる1ドル=104円台まで円高が進んだ。自動車など輸出企業は「貿易摩擦」と「円高」のダブルパンチに襲われようとしている。

「そればかりか、地政学リスクも再浮上しているのです。トランプ大統領が解任したマクマスター大統領補佐官の後任に、北朝鮮に対して軍事力行使をにおわすボルトン氏が就任したためです。米朝の緊張関係は継続していると、市場が再認識したのです。週明けの日経平均は簡単に2万円を割り込むでしょう」(株式アナリストの黒岩泰氏)

 来週は、底なしの暴落相場が出現するかもしれない。