アリーナ・ザギトワ【写真:Getty Images】

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ザギトワが生まれた翌年から出場を続けるコストナー「数ある試合の一つだから」

 フィギュアスケートの世界選手権(ミラノ)は23日、女子フリーが行われ、大本命とみられていた平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワ(ロシア)が5位に終わった。初出場で涙のシニア初黒星を喫した15歳に対し、14度目の出場で4位に入った31歳カロリーナ・コストナー(イタリア)は「また素晴らしいパフォーマンスをしてくれると確信している」「今回の試合は数ある試合の中の一つだから」とエールを送っている。

 今季、無欠の強さを誇ってきた五輪女王が敗れた。ザギトワはジャンプで3度転倒するなどミスが相次ぎ、128.21点。合計207.20点と得点を伸ばせず、5位に終わり、悔し涙を流した。シニアデビューした今季、GPシリーズ&ファイナル、ロシア選手権、欧州選手権、五輪と全勝街道をひた走り、今大会も圧倒的なV候補と目されていたが、待っていたのはまさかの結果だった。

 海外メディアも「優勝の味を忘れてしまったかのよう」と驚きをもって報じていたが、15歳の天才少女に対し、温かいエールを送ったのは、地元イタリアの31歳のレジェンドだった。

 イタリア紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」によれば、コストナーは「ザギトワ選手にとって今回、難しい時間になってしまったのは残念です」と話し、さらに「でも、彼女はまた素晴らしいパフォーマンスをしてくれると確信を持って言えます。今回の試合は数ある試合の中の一つなのですから」とベテランらしく語ったという。

長いキャリアで多くの挫折を経験したコストナーの“思いやり”

 14度目の出場となるコストナーが世界選手権に初出場したのは、ザギトワが生まれた翌年の03年ワシントン大会。14年ソチ五輪で銅メダルを獲得し、世界選手権1度、欧州選手権5度、国内選手権8度を制したイタリアが誇るレジェンドだ。長いキャリアで多くの挫折を経験しながら、成長してきた。だからこそ「数ある試合の中の一つ」と思いやり、ザギトワの将来性も認めている。

 コストナー自身は今季限りでの引退が囁かれていたが、同紙によれば、今後については「まずはシーズン中の緊張とストレスを解消するためにバカンスを取りたいです。その後、落ち着いて考えます」と話し、去就の明言を避けたという。唯一無二のキャリアを誇る英雄だけに、その存在は後輩スケーターにとっても大きな影響力を及ぼすものになるだろう。(THE ANSWER編集部)