3月4日の弥生賞(G供砲鮴した川田将雅騎手とダノンプレミアム(写真:伊藤 康夫/アフロ)

中央競馬は春本番を迎える。最も競馬が面白くなる季節だ。3月25日の高松宮記念を皮切りに、4月1日は昨年からG気砲覆辰紳膾綰奸4月8日は桜花賞、4月15日は皐月賞とG気続く。3月31日にはドバイワールドカップが行われ、日本馬が大挙遠征。4レースを国内発売する。こちらもいい結果を期待したい。

年末の大一番が一段落すると超A級馬は休養に入ることが多い。年明けの競馬はクラシックを狙う3歳馬や古馬のG気鯀世η呂戦うステップレースに注目が集まる。「トライアル」という言葉も目にするだろう。やはりクラシックへ向けて3歳馬が激突する競馬は面白い。3月4日に中山競馬場で行われた皐月賞トライアルG玉鐇絃泙郎Gの牡馬クラシックを占う重要な一戦だった。

弥生賞はダノンプレミアムが勝利

ディープインパクト産駒でともに3戦3勝のダノンプレミアムとワグネリアンが初めて対戦。暮れの12月開催の朝日杯FS(フューチュリティステークス)を制して昨年のJRA賞で最優秀2歳牡馬に選ばれたダノンプレミアムがここも2番手から楽に抜け出し、直線で伸びてきたワグネリアンを抑えて無敗対決を制した。

同じ中山2000m芝で行われる皐月賞へ向けて一歩リードしたが、ダービーの舞台となる直線の長い東京の2400m芝ならワグネリアンの決め手が優勢かもしれない。


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さらに、18日に中山競馬場で行われた皐月賞トライアルG競好廛螢鵐Sはステルヴィオがハナ差で差し切り重賞初制覇。これで5戦3勝2着2回。2着はいずれもダノンプレミアムに先着を許したが、今回は成長を感じさせる内容で皐月賞では3度目の対決で打倒ダノンプレミアムを狙う。今年は3歳牝馬にもオルフェーヴル産駒で4戦4勝のラッキーライラックがいる。

こちらも暮れの阪神JFを制し、今季初戦となった桜花賞トライアルG競船紂璽螢奪彎泙鮠,辰峠臘瓦乏蠅蟒个靴拭今年のクラシックはハイレベルの争いで本当に楽しみだ。

今回のテーマは、その春競馬の中でも最も重要な「クラシックレース」について述べたい。

中央競馬の平地競走のG気24レース。G気涼罎任皀ラシックはこれから行われる3歳馬のレースで、3冠レースと呼ばれる「皐月賞」「日本ダービー(東京優駿)」「菊花賞」と牝馬限定の「桜花賞」「優駿牝馬(オークス)」の5レースをこう呼ぶ。もともとはイギリスのレース体系を模範に作られたレースだ。


競走馬にとって世代のチャンピオンを決める一生に一度の最も華やかな舞台と言っていい。「クラシック」という言葉の語源は「古典」や「格式のある」という意味である。日本ダービーは今年が第85回となる。日本の競馬の中でもクラシックは伝統のある格式の高いレースになっている。

クラシックには選定レースの意味がある

イギリスの「2000ギニー」が皐月賞、「ダービーステークス」が日本ダービー、「セントレジャーステークス」が菊花賞、「1000ギニー」が桜花賞、「オークス」がオークスのモデルとなった。そもそもクラシックはサラブレッドの優れた血統を残すために種牡馬や繁殖牝馬の価値を高める選定レースの意味がある。

だから皐月賞、日本ダービー、菊花賞は「3歳牡牝オープン」という出走条件で、去勢された騸馬(せんば)は出走できない。

牝馬は、以前はエリザベス女王杯、エリザベス女王杯が古馬混合になってからは秋華賞を加えて牝馬3冠と呼ばれるが、クラシックは桜花賞とオークスだけで、後発の秋華賞やエリザベス女王杯はクラシックには含まれない。このクラシックに天皇賞・春、天皇賞・秋、有馬記念を加えたのが「8大競走」だ。1984年にグレード制を導入する以前のビッグレースはこの8レースだけだったと言っていい。

2001年から現在の満年齢表記となる以前は競走馬は数え年で表記していたために「4歳クラシック」と呼ばれることが多かった。現在では「3歳クラシック」である。

競走馬が生まれた時からすべての関係者が世代の頂点となるダービーを目指す。一生に一度の舞台に出走することだけでもステータスである。以前はフルゲートの頭数も多く1953年のダービーに33頭が出走したのが最高だ。

1973年のハイセイコー人気に沸いたダービーは28頭。20頭以上が出走するのは当たり前だった。ダービーが20頭以上で行われたのは1991年が最後。20頭立てで大外20番枠に入ったトウカイテイオーが勝った。

1992年からフルゲートは18頭になった。現在はダービーに出走するだけでも大変な時代になったといえるだろう。それだけダービーは特別な舞台だ。

現在は1着馬にG欺仭権が与えられるレースが増えたが、クラシック5レースと秋華賞だけは上位入線馬に本番の優先出走権が与えられるレースが多く組まれている。トライアルから有力馬が次々と激突するから3歳戦は面白いのである。

三冠馬はこれまで7頭誕生している

古くから三冠レースを例えて「皐月賞は最も速い馬が、ダービーは最も運に恵まれた馬が、菊花賞は最も強い馬が勝つ」と言われる。

中央競馬で皐月賞、ダービー、菊花賞すべてを制した「三冠馬」は1941年のセントライト、1964年のシンザン、1983年のミスターシービー、1984年のシンボリルドルフ、1994年のナリタブライアン、2005年のディープインパクト、2011年のオルフェーヴルと7頭誕生している。

春の二冠馬が無事に菊花賞に挑んだのは15頭で三冠を達成したのは半数以下だ。このうち無敗で三冠の偉業を達成したのはシンボリルドルフとディープインパクトの2頭しかいない。

ちなみに牝馬三冠を達成したのは1986年に桜花賞、オークス、エリザベス女王杯を制したメジロラモーヌと、桜花賞、オークス、秋華賞を制した2003年スティルインラブ、2010年アパパネ、2012年ジェンティルドンナの4頭がいる。

近年は世界でスピード化が進み、長距離レースが軽視される傾向にある。日本が模範としたイギリスは1970年のニジンスキー以来、三冠馬は出ていない。約3000mの距離を嫌って超一流馬の参戦が見られなくなっている。

2012年にキャメロットが三冠に挑んで話題となったが2着に敗れている。日本は昨年のダービー馬レイデオロがトライアルの神戸新聞杯を勝ちながら菊花賞を回避したように3000mの長丁場を使わない有力馬も増えている。

それでも京都競馬場の3、4コーナーの坂を2回越える3000mの舞台は人馬の駆け引きも含めて根強い人気があり見応えもある。だからこそ「菊花賞は最も強い馬が勝つ」と言われたのだ。秋の美しい京都の舞台がまた魅力的で、菊花賞は筆者も好きなレースである。ミスターシービーが向こう正面でまくった時や、ナリタブライアンが圧巻の強さを見せた時など三冠誕生の強烈な印象とともに忘れられないレースだ。

クラシックは種牡馬選定競走の性質もあり、長い間、内国産馬同士で争われてきた。1995年には地方馬にも門戸は開かれた。その1995年にはライデンリーダーがトライアルの4歳牝馬特別(現フィリーズレビュー)を制して出走権を獲得し桜花賞に挑み1番人気になったが4着。オークスも1番人気になったが13着に敗れた。2004年にはホッカイドウ競馬のコスモバルクが旋風を巻き起こし弥生賞制覇後、三冠すべてに出走したが皐月賞2着、ダービー8着、菊花賞4着とタイトルには届かなかった。

2010年から外国馬がすべて出走可能に

国際化の波で2001年からダービーと菊花賞、2002年から皐月賞、2003年からオークス、2004年から桜花賞が外国産馬に開放された。2010年からはクラシックすべてに外国調教馬が出走可能となった。

外国産馬でクラシックを制したのは2007年オークスのローブデコルテ1頭だけ。牡馬は2002年にシンボリクリスエスがダービーで2着になったが、まだ1頭も勝っていない。外国調教馬に門戸が開かれたものの日本のクラシックに外国調教馬が出走したケースはまだ1頭もない。

同時期に本国でもクラシックがあるのだからわざわざ遠征してくる馬はいないということだろう。日本馬のレベルも高くなっておりジャパンCですら外国馬が勝てなくなっているのだから、クラシックに挑む馬がいないのも当然ということかもしれない。

クラシックには通常、出走までに3回の登録が必要だ。今年のクラシックへの第1回登録は2017年10月27日正午締め切りでダービーには1274頭が登録している。第2回登録は2018年1月26日正午締め切りで672頭が登録している。第3回はレースの2週間前で今年のダービーは5月13日だ。

登録料は第1回が1万円、第2回が3万円で、第3回は36万円となっている。古くからクラシックには登録が必要で、中央競馬で走ることが決まっているような馬なら通常はクラシックに登録する。

ところが、成長が遅れているような馬、あるいは地方競馬で走る予定の馬は第1回登録をしない場合がある。以前なら第1回登録をしなかった時点でクラシックへ出走できなかった。このルールが疑問視されたのが1985年に生まれたオグリキャップだった。オグリキャップは笠松競馬場の出身で中央のクラシックへの登録など考えてもみなかった。

しかし、1988年に中央に移籍すると破竹の快進撃を見せた。登録していなかったためにクラシックに出走できなかったが、出走していれば勝っていたのではないかと言われた。能力があっても登録していなかったためにクラシックに出走する機会すら与えられない馬のために導入されたのが追加登録制度だ。追加登録は3回目の最終登録の時に200万円を支払えば登録できるというルールだ。

春競馬最大の見どころはクラシック

1992年に導入しウイーンコンサートが桜花賞に出走して10着になったのが最初のケース。過去、追加登録料を払ってクラシックを勝った馬は1999年皐月賞のテイエムオペラオー、2002年桜花賞のアローキャリー、2002年菊花賞のヒシミラクル、2013年オークスのメイショウマンボ、2014年菊花賞のトーホウジャッカル、2015年菊花賞のキタサンブラックの6頭で、ダービーだけはまだ勝ち馬が出ていない。

あのキタサンブラックに追加登録制度がなければ同馬の初のG汽織ぅ肇襪呂覆ったということになる。

春競馬の最大の見どころはクラシックだ。サラブレッドにとって一生に一度の舞台で、競馬関係者にとっても特にダービーを最大の目標に戦っている。騎手にとっても「ダービージョッキー」は特別である。日本の3歳最強馬を決めるレースだ。そんなことに思いをめぐらせながら今年のクラシックをぜひ楽しんでいただきたい。