議論の発端となった「お客様の声」(写真はポチ袋さん提供)

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あるスーパーの店内掲示板が、思わぬ形でインターネット上の注目を集めている。

来店客からの要望や意見を貼り出す「お客様の声」欄に寄せられたクレームの是非をめぐって、客同士が店の掲示板を使って議論を始めたのだ。こうした展開に、ネット上では「まるでツイッターのリプライ状態」などと面白がる声が出ている。

「1人のクレームで...」

話題の掲示板は、東京都内にあるイトーヨーカドー店舗に設置されたもの。ツイッターユーザーの「ポチ袋」(@osobamen)さんが2018年3月17日、掲示板の貼り紙を撮影した写真を公開したことで、ネット上の注目を集めることになった。

議論の発端となったのは、3月2日に掲示された警備員の挨拶に関する投稿だった。駐車場の出入り口にいるという警備員が、「ご苦労様」などと通りがかる客に声をかけることについて、

「非常に耳障りですのでやめて下さい」

と訴えた。店側はこうした意見があったことについて、担当の警備会社に連絡したと伝えていたという。

こうした「お客様の声」を見た別の客が、投稿者の意見に反論し始めたのだ。まず14日には、「声がけは良い事なので、変える必要はありません」として、

「何でもお客様の声を取り入れるのではなく、企業としてきちんと『良い』『悪い』を精査した上で対応するべきです!」

との怒りの投稿が。また15日には、「声掛け、私はとても嬉しい方なので、お店ならではの活気を感じられるので、良く思います。日本は、あいさつ文化なので!」という意見が寄せられた。

さらに16日にも、警備員の挨拶について「私は印象良く感じていました」との声が。この投稿者は、「1人のクレームで声掛けが無くなってしまうのは悲しいです」とも訴えていた。

「デジタルでもアナログでも、人のやることは同じ」

話題の写真をツイッターに投稿したポチ袋さんは20日のJ-CASTニュースの取材に、こうした一連のやり取りについて、様々な人が意見を発信できる「『お客様の声』の形式のすぐれた点だと感じました」と振り返る。

ちなみに、ポチ袋さんは、店の警備員の挨拶について「私は気にはしたことはありません」という。

ツイッターやネット掲示板では、店内の「お客様の声」欄に寄せられた一連の投稿が、SNS上でのやり取りのように見えるなどとして、

「まるでツイッターのリプライ状態」
「デジタルでもアナログでも、人のやることは同じってこと」
「3月2日(編注・最初の投稿者)はどんな気持ちでこれ見てるんやろ」
「お客様の声掲示板の炎上とかちょっと記憶にないな」

と驚いたり、面白がったりする書き込みが相次いでいる。

その後、店内掲示板の様子はどうなったのか。そもそも、店側はどういった意図で一連の投稿を掲示したのか。

こうした点を尋ねるため、J-CASTニュースは3月22日、話題の掲示板を設置している店舗に取材を依頼したが、回答は「本部の広報を通してください」。そこで本部の広報担当者にも取材したが、

「『お客様の声』の掲示については、社内基準に則って運用しております」

と話すのみだった。