自動開閉のれん(明治大提供)

写真拡大

 明治大学大学院先端メディアサイエンス専攻の渡辺恵太准教授と幸野朋美大学院生らは、縫い糸を巻き取って布やぬいぐるみを変形させるデジタル裁縫技術「フィールム」を開発した。のれんを自動ドアのように開閉させたり、気温に応じてスカートの丈を長くしたり短くしたりするなどの応用が可能。縫い糸は目立たない。布が機械的に動くため、見た人を効果的に驚かせやすい。

 釣り糸をのれんなどに縫い付け、端からモーターで巻き取るシンプルな仕組み。糸を布地に斜めに縫い付けて巻き取れば、全体をくしゃっと小さくするように変形し、ノコギリ状に縫い付ければノコギリ刃の方向に布が縮む。糸を渦巻き状に縫い付けると渦の中心に置いた物を布が包み込むように変形する。

 布の織り目の細かさと縫い糸との摩擦にもよるが、のれんでは400グラム程度の重量を持ち上げられた。人感センサーと組み合わせて自動開閉のれん、温度センサーと組み合わせて丈調整スカートを作製した。布製品なら、ほとんどの商品に変形機能を加えられる。

 縫い付け方次第で変形方向が変わり、しかも縫い糸が目立たないため、見た目から動きを想像しにくい。複数の縫い糸を組み合わせることで複雑な動きを表現できる。

 IoT(モノのインターネット)時代には生活空間に多彩なセンサーが配置されると予想される。だが日用雑貨などを自然な形で動かす技術は不足している。