大林組の蓮輪賢治新社長

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 年明け以降、ゼネコンの社長交代が相次いだ。在任期間が一定年数を経過し、新年度から中期経営計画が始まるなどの共通点がみられる。堅調な建設需要を受け、業績が好調なことも交代時期として適する。各社の新社長は将来を見すえ、事業構造の変革が重要課題となる。

 交代を表明した社長の在任期間は、長い順に大林組の白石達氏が10年8カ月、西松建設の近藤晴貞氏が8年9カ月、東急建設の飯塚恒生氏が8年2カ月など。

 いずれも市場環境が厳しい時代を経験。最近は東京五輪関連や再開発案件などで建設需要が上向き、各社とも好業績をたたき出すまでにこぎ着けた。

 新社長で目立ったのが、従来とは異なる分野からの起用だ。大林組は、歴代社長は建築畑を歩んだが、初めて土木畑の蓮輪賢治氏を選んだ。蓮輪氏はここ数年、新規事業などを手がけるテクノ事業創成本部を担当。「出自が土木というのは関係ない」(白石氏)と建設事業に加え、今後の成長分野の強化に力を入れる。

不祥事だけじゃない!ゼネコンで社長交代が相次ぐ理由
在任期間が長い企業の交代が目立つ
 一方、リニア中央新幹線の談合事件を踏まえ、法令順守の再強化が重要課題だ。

 熊谷組は人事や経営企画など、ゼネコンの社長では異例の事務分野を担当した桜野泰則専務が社長に就く。同社で事務系の社長は2代目の熊谷太三郎(社長在任1940―67年)以来。桜野氏は17年11月に発表した中長期経営方針の策定や住友林業との資本・業務提携を主導した。

 東急建設はグループ会社の東京急行電鉄副社長である今村俊夫氏を社長に招く。03年に不良債権を切り離すため、会社分割を実施した以降では、東急電鉄出身の社長は初となる。飯塚社長は「“一つの東急”でいろいろやれるのではないか」とグループによる相乗効果を期待する。

 4月以降、新しい中期経営計画がスタートするのは安藤ハザマ、熊谷組、東急建設、西松建設など。次期西松建設社長の高瀬伸利専務は「フロービジネスと、ストックビジネスのベストマッチを考えていく」と既存の建設事業に加え、開発・不動産などの事業強化に意欲をみせる。

 熊谷組の桜野専務は今後について「請負、新事業、他社との戦略的提携―を柱に具体的な戦略を盛り込む」と語る。
(文=村山茂樹)