生ガキ、カキフライ、ハーフシェル……どの食べ方が好きですか? 鉄分はもちろん、心臓や脳によいとされるオメガ3脂肪酸が多く、精力をキープする亜鉛も豊富など、牡蠣には健康によい成分がたくさん含まれています。

牡蠣を食べる前に知っておきたいこと

養殖の牡蠣は、もっともサステナブルなシーフードのひとつといわれていますが、そのいっぽうで世界における天然の「カキ礁(多くの牡蠣が重なって岩礁のようになっている場所のこと)」のおよそ85パーセント以上が失われています。

カリフォルニア沿岸のカキ礁は、大西洋岸のカニや巻貝などの侵入生物によって破壊され、中西部からの農業廃水がメキシコ湾の天然牡蠣の養殖床に損害を与えています。さらに、気候変動による海水の酸性化は、殻が弱くなって牡蠣が死ぬ原因にもなっています。幸いなことに、世界で消費されている牡蠣の95パーセント以上が養殖なので、サステナブルな養殖場のものを選べば、どんなものを食べているのか安心できますね。

では、牡蠣を食べる前に知っておきたい6つの事実についてみてみましょう!

01.選ぶなら養殖の牡蠣を

一部の養殖漁業では、外来種の魚を周囲の生態系に逃したり、病気を広げたりすることがありますが、牡蠣の養殖はそれとは異なり、海や湾の状況を改善します。なぜなら岸から離れた養殖場の牡蠣は、水路を汚染する微粒子の物質や養分を食べて水を浄化してくれるから

したがって牡蠣を買うとき、あるいはレストランで注文するときは、養殖のものを選ぶようにしましょう。また養殖を選ぶことで、ただでさえ侵入生物のカニや巻貝の危険にさらされている天然牡蠣が激減するのを防ぐことにもなります。

02.「R」がつかない月に食べてもOK

マーク・カーランスキーが著書『牡蠣と紐育』で書いた「(英語で)Rのつかない月に牡蠣を食べてはいけない」というルールは、かつては実際にその通りでした。

理由のひとつは、現代の冷蔵技術が開発される以前は、暑い季節に痛まないように保存するのが難しかったから。ただカーランスキーは、5月、6月、7月、8月はちょうど牡蠣の産卵の時期にあたり、身が半透明でやせて味が水っぽくなるため、牡蠣が好きな人なら一番美味しいのは寒い時期だと知っている、とも書いています。この点は今でも変わりません。味の問題については、現代の養殖技術も取り組みをはじめたところです。

結論としては、夏に牡蠣を食べてももちろんOK。ただし、味に関しては旬ではないことを念頭に。自宅で牡蠣を食べるなら、この機会に専用のオープナーやナイフを用意しても。

03.牡蠣はガーデニングにも活用できる

牡蠣の殻にはカルシウムが豊富に含まれているため、庭の土に最適。カルシウムは土のペーハーを調整するだけでなく、植物の細胞壁を強くし丈夫で健康に育つのに欠かせない栄養素です。園芸店では牡蠣の殻を砕いた石灰が販売されていますが、家で牡蠣を焼いたときに残った殻を砕いてコンポストに入れて利用できます

04.牡蠣には媚薬の効果がある?

もしかすると、たまにはそういうこともあるのかも?という事実としてご紹介するのですが、実際には、牡蠣が性的な欲望を高めることを示す科学的な研究はほとんど存在しません。

ただある意味では性生活に役立つともいえます。というのも牡蠣には、ほかのどの食品よりも1人前あたり多くの亜鉛が含まれていますが、亜鉛は男性生殖器を健康に保つのに重要なミネラルであり、深刻な亜鉛不足はインポテンスの原因になることがあるからです。しかし、一般に牡蠣に催淫効果があるといわれているのは、桃やアルコール、チョコレートなど、媚薬効果があるといわれているその他の食品と同様に、思い込みによるものです。

05.「牡蠣」そっくりの味の野菜がある

牡蠣の味は大好きだけど、ぬるっとした食感が苦手な人もいます。新鮮な牡蠣が近所で手に入らないことも。ではかわりに、牡蠣とそっくりの味の野菜を食べてみては?

たとえばヒラタケ(英語ではオイスターマッシュルーム)やキクゴボウは、「野菜のオイスター」と呼ばれています。ヒラタケは簡易栽培キットで室内でも育てられます。キクゴボウとはカブやニンジンに近い根菜で、晩秋から初春にかけて生育します。庭で育ててみるなら、寒い季節の3ヶ月前に植えるとよいそうです。

06.牡蠣を救うことは、私たちの食卓だけでなく地球の環境を救うことにも

カキ礁は環境に多くのメリットがあり、そのひとつが土壌侵食を防ぐこと。カキ礁は海岸線を保護し、ハリケーンや強い台風によるダメージを最小限に食い止めています。

また天然の牡蠣は、フィルター・フィーダー(濾過してエサを食べる生物)としてバクテリアや堆積物、さらには水路からの流出油を取り除いてくれるため、カキ礁はエビや貝、巻貝、カニなどが生息しやすいきれいな環境になっており、さらに水質を改善して海藻の成長を促すので魚にもすみやすい場所を作りあげているのです。

ありがたいことに、アメリカ海洋大気庁やノースカロライナ・オイスター・ブループリントなどの団体は、こうした環境への利点を鑑みて、カキ礁の保全に力を入れています。

Emily Main / 6 Surprising Things You Should Know About Eating Oysters

訳/Maya A. Kishida