F35戦闘機 (c) 123rf

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■ハイローミックスの法則

 日本はF2の代替えとしてF35を追加していく構想もあるが、「ハイローミックス」で機数を揃える戦略は、今はどこに行っているのであろう。「ハイローミックス」とは、アメリカのマクナマラ元国防長官が提唱した「予算を削減して効果のある機数の揃え方(費用対効果)」である。F-14とF-18、F-15とF-16、F-22とF35など、アメリカ軍はこの法則を守っている。

【前回は】: 【F2後継機国産断念(上)】 アメリカの圧力? ハイローミックス(費用対効果)戦略はどこに?

  航空自衛隊の配備戦闘機は、F15約200機、F4約50機(この機種はベトナム戦争当時の機体でF-35Aに交代予定)、F2約90機、F35A(42機配備予定)で「世界有数の空軍」と言ってよい状況だ。日本は当初ハイローミックスのハイの機体であるF-22の購入を希望したが、機密を理由に売ってもらえなかった。そこで、「ハイローミックス」の「ロー」に当たるF-35を発注したのだが、開発は遅れに遅れて、やっと最近航空自衛隊の配備が始まった。1機の値段は「2012年96億円から2017年147億円」と大幅に上がってしまった。「ハイローミックス」の「ロー」の機体で機数を多くそろえられなければ意味はなくなってしまう。廃棄までの総費用も1兆9千億円から2兆2千億円に上がっているため、XF-3相当の期待として的確なのかは疑わしい。

■産業育成、経済対策としての航空機産業

 日本の国産による経済対策を優先しない理由が疑わしい。「高度知識集約型産業」を育成しなければならない工業先進国としての国策が揺れている。工業国化の進む過程では作業員の給与が上がっていくので、後発の国が家電などの産業で追い上げてくるのは当然で、先進国がその立場を維持するには、徐々に「知識集約型産業」にシフトしていかねばならない。

 自動車でも韓国、中国に追い上げられてきた現在、航空機産業、宇宙産業など、より高度な製品を要求される業種にシフトすべきなのだ。防衛産業は当然に知識集約産業の塊であり、さらに機密保持があり、海外企業との競争が制限されるので、国内産業として育成するに都合がよいのである。建設産業に代わって、現在日本で育成していくには的確な産業なのだ。現在戦争準備が懸念されるが、中国脅威がある現実では、同じ予算を使わなければならないのであれば、国内産業を育成すべきなのは明確だ。

■ロッキード事件は続いている

 しかし、「ロッキード事件」などアメリカ企業との競合が、政治の世界を巻き込んで、実質的に強烈に存在していることになる。太平洋戦争で敗戦して、アメリカの占領下に置かれたままの姿が、現在の日本にはあるというのだろうか。国の代表である、時の政権も「アメリカのご機嫌を損ねたら存続できない?」と言われている事実は、どこまで知られているだろうか。