井上尚弥【写真:Getty Images】

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スパーリングパートナーの世界ランカー、セルバニアが階級を上げた井上のパワーに太鼓判

 プロボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(大橋)が5月25日にWBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦(大田区総合体育館)で、同級王者ジェイミー・マクドネル(英国)に挑戦する。3階級制覇を目指す「The Monster」にとってはバンタム級初戦となるが、2階級上のスパーリングパートナーはさらなる進化を証言している。米ボクシング専門メディア「ボクシングシーン.com」が報じている。

 スーパーフライ級時代は悲願の統一戦を実現できず、「The Monster」の異名通りの強すぎる王者としての悲哀を味わった井上。戦いの舞台をバンタム級に移すことになるが、体重のリミットが3ポンド(約1.36キロ)増えたことで、進化を遂げているようだ。

「彼のスタイルに変化はない。イノウエはパワーを増している」

 こう証言したのはWBA世界フェザー級5位のジェネシス・セルバニア(フィリピン)だった。金沢市のカシミジムに所属する2階級上の世界ランカーは、井上のスパーリングパートナーを務めている。

 横浜の大橋ジムでスパーリングを行ったセルバニアはマネージャーのローレン・グッドマン氏を通じて、モンスターの進化を語ったという。

 そして特集ではセルバニアについても言及。「ジェネシスはパワーについて熟知している。昨年9月にフェザー級王者オスカル・バルデスとのエキサイティングな戦いで敗れたが、乱打戦を経験している」と紹介し、その強打にスポットを当てている。

井上のKO記録継続を予想、「体重を削って戦う必要がもうない」

「イノウエはいつもスーパーフライで大物だった。彼は無敗だったローマン・ゴンサレスとの統一戦を望み、当初の計画よりも長く止まっていた。この戦いは第1回目の『Super Fly』のカードで契約されていたが、ゴンサレスがソールンビサイに敗北したことで乱れが生じた。イノウエは相手を探す間に、2人は再戦する事になった」

 ニカラグアの英雄ロマゴンと昨年、米・カルフォニアで行われたスーパーフライ級の祭典で対戦予定だったが、ゴンサレスのよもやの敗北で実現せず。その後も次々と対戦相手候補として強豪の名前が上がったが、相手が回避するなどし対戦にこぎつけることができなかった。

「もしも、ジェネシスの言葉を指標とするなら、イノウエの連続KO試合がバンタム級でも継続となる可能性が高い」と記事では分析している。

 そして、マクドネル戦の勝敗も予想。「“The Monster”ナオヤ・イノウエは5月25日に勝利の本命となるだろう」と井上の勝利に太鼓判を押している。

「マクドネルよりもパワフルである必要はない。マクドネルは階級を上げることが決まっているのだ。一方、イノウエは安堵感のような気持ちとともに転向する。彼とリングに上がるつもりのないファイターたちのために体重を削って戦う必要がもうないのだ」

 スーパーフライ級では悲願のビッグマッチ実現を待つ間、苦しい減量に耐え抜いた。だが、それは実現しなかった。バンタム級に転向しての初戦で、減量苦からも解放され、その才能はさらなる輝きを放つことになりそうだ。(THE ANSWER編集部)