日本の製造業で繰り返し起こった品質偽装の問題に対し、中国メディアの論評は・・・(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 日本の製造業では近ごろ、不正が発覚する例が後を絶たず、品質の高さで有名だった日本の製造業の信頼が揺らいでいるのは残念なことだ。中国メディアの今日頭条は21日、「どうして日本人は偽装をするようになったのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。

 記事は、日本製品は質が良いというこれまでの固定概念は正しいのか、と疑問を投げかけている。記事によると、フランスのドキュメンタリー番組で、日本と中国のセラミック包丁の切れ味の違いを検証する内容が放送されたという。その結果、「日本製品のほうが価格は数倍高かったにも関わらず、切れ味は大差なかった」と指摘した。

 それで記事は、実際のところ日本製の品質が高く、中国製の品質は低いというのはイメージに過ぎず、今では日本製も中国製も品質にそれほど大きな差はないと主張。中国製や韓国製の品質が向上するなか、日本は「優等生」で居続けるために、偽装するほかなかったのだと考察した。

 記事はこの点を例えで説明。以前は中国はテストで30点、日本は90点だったのが、今では中国が85点、日本も85点になったため、日本は90点を取って優位性を保つためには「カンニング」するほかなかったと論じ、「このやり方も理解はできる」とした。

 記事が主張するように、中国製品の質も以前より高くなっているものがあるのは事実だ。しかし、中国製品の場合、品質は値段に比例し、日本のように安くてもそこそこの質ということはまずない。しかも、セラミック包丁の例で言えば、買ったばかりの包丁の切れ味に差がなくても、長期間使った場合にどうかは検証はしていないだろう。目先だけにとらわれていては、質の高い日本の職人技が見えてこないのではないだろうか。いずれにしても、不正行為は大きな問題であり、日本企業はぜひとも品質に自信をもって正々堂々と販売してもらいたいものである。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)