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不倫には重大リスクが伴う。だが、それでも既婚者との交際を進める人がいる。そのとき泥沼に引きずり込まれてしまうような「最悪の相手」とはどんな人間か。これまで数千件の相談を受けてきたという男女問題研究家の露木幸彦氏が、「不倫上手な男性」と「不倫下手な男性」の違いを解説する――。(後編、11〜23)

■不倫上手な男性vs不倫下手な男性の比較(1〜10の前編から続く)

今回、私が相談を受けた事例や取材をした数千件の事例に基づいて、「不倫上手な男性」と「不倫下手な男性」の違いについて、23項目にわたって比較検討しています。このうち1〜10をご紹介した前編に続き、後編では11〜23の項目を取り上げます。

11.周囲に不倫経験者はいるか?

上手:経験者が多い(不倫が妻に発覚しても、“仲間”がそんな事実はないとフォローしてくれる)
下手:ほとんどいない(周囲に不倫の相談をできる人がいないので、トラブルになると、ひとり困り果てる)

12.妻をどう呼んでいるか?

上手:「彼女」「個人名」「ニックネーム」(交際時の呼び方を結婚後も続けているケースが多い。相手と向き合って話をしている証拠)
下手:「妻」「嫁」「家内」、もしくは、呼ばない(妻への愛情やリスペクトがないことの裏返し)

13.彼女に「奥さんと私、どっちが大事なのか」と聞かれたら?

上手:優劣をつけない(どちらも大事だから優劣をつけられない。家族を犠牲にしない姿勢は場合によっては彼女の罪悪感を消し去る効果もある)
下手:優劣をつける(聞かれてもいないのに「君のほうが大事」と言う。自分のために不倫の言い訳を用意したいから。妻より彼女のほうが魅力的なのだから仕方がないだろう、と)

14.仕事が多忙な時、彼女にどんな対応をするか?

上手:普段と変わらない(スケジュール管理が大得意。どんなに忙しくても隙間時間を見つけ連絡をとり、彼女と会う)
下手:イライラする(「わざわざ来てやった感」を出すので当初、彼女は喜ぶが、次第に家族の影を感じ、不安を与えることに)

15.彼女のプレゼントへの態度

上手:消極的(特別に高価なものではなく、妻と同じランクのプレゼントを選ぶことが多い)
下手:積極的(彼女に頼まれたら断れないので高級ホテル、海外旅行などエスカレート。それが発覚の遠因にもなる。コストをかけた分、元をとろうとするから態度が高圧的に)

■なぜ不倫上手な男性には略奪愛願望が芽生えないのか

16.恋愛以外に彼女と接点はあるか?

上手:なし(彼女は恋人以上でも以下でもないので恋愛以外の役割を求めない)
下手:あり(彼女に深く入れ込み、恋愛以外の役割を期待する。仕事を手伝ってもらう、別宅を用意し彼女ともう1つの“家族”を作るなど)

17.彼女が「奥さんと離婚し、一緒になってほしい」と思っているか?

上手:勘違いされない(妻や子のことを褒めるから、彼女に略奪愛願望は芽生えない)
下手:勘違いされる(妻や子の悪口を言うから、彼女が「私のほうが幸せにしてあげられる」と思い上がる。以降は離婚の話を進めないと彼女は「体だけの関係なの」とヒステリックに)

18.彼女とセックスをするとき、避妊をするか?

上手:必ずする(妻とはセックスレスではなく不倫経験も豊富。ベッドの上でも手慣れているので失敗しない)
下手:しないこともある(妻とセックスレスで性欲の発散も風俗や自慰行為が多いので、彼女とのセックスに夢中になり、避妊に失敗することも。また彼女が本気になり避妊を拒否する場合も)

19.もし妻にバレたらと考えたら、どんな気持ちになるか?

上手:妻に知られても構わない(妻に知られても最悪の事態=離婚には至らないと確信している。妻に愛されているとの実感がある)
下手:妻に知られると困る(すでに妻に愛情がなく、離婚に至っても構わないけれど、修羅場になるのが怖いし覚悟もできていない)

20.妻に不倫が発覚したとき、どんな反応をするか?

上手:正直に白状する(「まだ好きだから」「愛しているから」と謝罪する)
下手:ウソをつき認めない(激しく動揺し思わずウソをつくが、以後はウソでウソを塗り固めるしかない。潔白を証明できないので不倫+ウソで妻の怒りは倍増)

21.彼女とけんかをしたら、どうなるか?

上手:白黒をつけない(彼女の嫉妬心を理解した上で、「お互いさま」で済ませ、どちらに責任があるか不明な“灰色”の決着をする)
下手:白黒を押し付ける(彼女だけに反省を促すことが多い。音信不通になり困らせたり「どうなってもしらないぞ」と高圧的な態度をとったり、力ずくで従わせる)

22.どんなきっかけで不倫が終わるのか?

上手:自然消滅(転勤や海外赴任、彼女の結婚などを理由にきれいに別れる)
下手:けんか別れ(彼女と妻の二者択一を迫られた揚げ句、責任をとれず絶縁というパターン)

23.彼女と寄りを戻せるか(不倫の復縁)どうか?

上手:やり直せる(彼女にとって「良い思い出」なので偶然の再会でも復縁できるし、彼女のほうから数年後、戻ってくるケースも)
下手:やり直せない(彼女にとって「あしき過去」なので、相手のことを思い出したくない)

以上、不倫上手な男性、不倫下手な男性の主な特徴比較でした。

■「不倫下手」の男性はなぜ、下手クソなのか

女性の中には、交際相手が妻子ある男性でもかまわないという方もいます。理由はいくつかあります。例えば、恋愛経験値を高めたい。年上の男性からいろいろ生き方・働き方を学びたい。可処分所得の高い相手ならいろいろ楽しい経験ができそうだ。自分の好きになった人に妻がいただけで、自分の感情にウソをつきたくない……。そうした動機で、不倫関係を始めるわけですが、その「結末」は女性にとって歓迎できるものとは言えません。

私が見たところ、男性が妻と離婚し、不倫した女性と再婚するケースは少なく、ほとんどの不倫カップルは一定の交際期間を経て、別れることが多いようです。その理由は以下のようなものが代表的です。

・最初は刺激的だったが新鮮味がなくなって愛が冷めた(または別の相手が見つかった)
・男女のいずれかが相手に熱くなりすぎたため関係が壊れた
・もともとあった罪悪感が徐々に大きくなり、それに耐えられず別れた
・次第に会う頻度などにズレが生じてケンカが増えた
・男性の妻に不倫が発覚し、修羅場となり、女性も訴えられた

冒頭に申し上げた通り、不倫は、男女にリスクのある行為です。特に男性既婚者と女性未婚者の場合、女性側のリスクは高いと言わざるをえません。なぜなら男性の妻に不倫がバレやすいからです。

特に、前出の(B)不倫下手の男性は、不倫をはじめると急にスマホを手放さなくなったり、身なりやファッションを気にするようになったり、財布にホテルやホテル近くのコンビニエンスストアの領収書が見つかったりします。不審に思った妻が少し“内偵”をすれば、すぐに動かぬ証拠が見つかってしまうのです。妻が激怒して離婚ということになると、妻は男性だけでなく、交際していた女性も訴えることができます。

そうなると女性が気軽な気持ちで始めた不倫の代償は大きなものとなります。この代償を払うリスクは、交際する相手が(A)の男性でも(B)の男性でも同じですが、妻の怒りが頂点に達して、話がこじれて訴訟に発展しやすいのは(B)のケースです。

▼「不倫上手」より「不倫下手」の男性のほうが圧倒的に多い

先ほどの比較でもわかるように(B)の男性は恋愛相手としては難ありです。当初は親密でもでも交際期間が長くなると、人としての器の小ささがわかってきます。「俺ってすごいだろ!」といった自慢は、時間がたつと単なる「ホラ」であることもわかります。

手を替え品を替え口説いてきて、「君は美しいね」「妻と別れたら一緒になろう」などといった甘いささやきに、女性がつい「少しだけなら、いいか」「かわいそうだから」とわずかでも心を許し、さらに徐々に相手への依存度が増してしまったら大変です。

この手の男性は話し相手が少ないため「彼女」には長々と愚痴をこぼすのですが、きちんと話を聞いてあげないと怒り出します。もともと感情の浮き沈みが激しいので別れ話を切り出すと、いきなり平謝りをし、土下座をし、さらにエステや高級ホテル、海外旅行などのプレゼントで気を引こうとするので別れたくても別れられなくなるのです。

その点、(A)の男性は、自分にゆとりや他に付き合う女性の“候補”がいることもあるので、(B)のように妻子の存在も隠すこともないし妻と離婚するつもりもなく、「立場」をはっきりさせています。よって、女性はそろそろ潮時だなと感じたらさっと手を引けばいいのです。(A)の男性はフラれたことを根に持って嫌がらせをしたり、しつこく連絡をしてきたり、仕事上の立場を使って脅してきたりするといった心配はないでしょう。

ただし、残念ながら世の中には、「不倫上手」より「不倫下手」の男性のほうが圧倒的に多いのが現実です。上手だと思っていても、フタを開けてみたら下手だった、というケースも目立ちます。そうしたリスクを避けるには、不倫に手を出さないのが一番です。

相手は本当に独身なのか。交際相手を選ぶときには、くれぐれもご注意ください。

(行政書士、ファイナンシャルプランナー、男女問題研究家 露木 幸彦 写真=iStock.com)