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一般社団法人Japan Innovation Network(JIN)とNTTデータは3月22日、2015年9月に国連総会で採択された「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の達成に向けた「SDGsグローバルスタートアッププログラム」事業で協業すると発表した。

SDGsは、2030年までに達成すべき、17のゴールとその下の169のターゲットからなる世界の共通目標として、2015年9月に193カ国が合意し、国連総会で採択されたもの。SDGsは企業にとって、「イノベーションの機会」と捉えられるが、個々の企業が従来の事業や取り組みだけで解決策を提供することは容易でないため、両者は、世界中のイノベーターのさまざまな知恵やソリューションを組み合わせるオープンイノベーションで課題解決することが重要と考え、世界中のスタートアップ企業との連携を主軸に据えたこのプログラム事業を提供する。

両者は、「SDGsグローバルスタートアッププログラム」において、企業がSDGsを軸に取り組むべきイノベーションの課題の設定、オープンイノベーションによるソリューションの創発、具体的な事業化への方向性を策定することを支援する。

具体的には、「SDGsビジネス化個別支援プログラム」の提供と「SDGsビジネス化企画型プログラム」展開の2つを実施する。

「SDGsビジネス化個別支援プログラム」の提供では、SDGs達成に取り組む、またはSDGsを起点とした新たなイノベーションを創発したい企業や地方公共団体に対して、オープンイノベーションによる具体的な事業化を支援する。

JINは、SDGsをイノベーションにつなげるための具体的な手法や世界150カ国におよびスタートアップ企業や官民イノベーションエコシステムとのネットワークを提供し、NTTデータは、世界210都市からの社会インフラ等のソリューションやオープンイノベーション活動で培った先進的なスタートアップとのソリューションの活用、および世界15都市のエコシステムパートナーとのネットワークやオープンイノベーションコンテストおよびアクセラレーション手法を提供する。

一方の「SDGsビジネス化企画型プログラム」の展開は、プロジェクトを共同で企画運営することで、SDGsへの関心を高め、取り組みを促進するプログラムをグローバルに展開。

JINは国連開発計画(UNDP)が共同運営しているSHIP(SDGs Holistic Innovation Platform)とも連携し、日本企業のSDGs達成に向けたグローバルな取り組みを加速。NTTデータは、2018年度グローバルオープンイノベーションコンテストにおいて、SDGs達成に向けたビジネスソリューション募集と「ベンチャー企業×大企業×NTTデータ」のWIN-WIN-WINを実現する新規事業創発する。

JIN 専務理事 西口尚宏氏はSDGsに対する企業の取り組みについて、「CSRではなく、収益が上がる事業として取り組むことが必須だ。ただ、この点はどの国も暗中模索の状態だ。17のゴールと169のターゲットが設定されたことで、変化の総和が明確になった。何十兆円という大きなマーケットだ」と、SDGsが大きなマーケットである点を示し、企業がSDGsに取り組む意義を説明した。

ただ、民間が取り組みやすくするために、具体的な目標に分割し、全体の設計図を示し、誰がどの部分をやるのかを当てはめていくことが重要だと語った。

両者が目指すのは、いいアイデアを持つスタートアップと資金力がある大企業を結びつけて、新たなビジネスを創発すること。

西口氏は、「スターアップは未踏の課題に着目し、実現したい世界感が明確だ。また、ビジネスモデルが技術の原案がある。初期段階では未熟でも潜在的な競合がある」とスターアップの可能性を評価した。

ただ、西口氏が指摘したように、「今までのモデルから脱却できない」「既存事業による短期業績に注力しすぎる」「現場のアイデアがことごとく弾かれる」といった、企業の経営者側の考え方により、これまで企業がスターアップに投資しにくい環境が課題としてあった。この点について同氏は、「企業も稟議を通しやすい環境を独自に構築し始めている。日本は変わりつつある」と、経営層の変化を指摘した。

一方のNTTデータは、大企業×ベンチャー×NTTデータがWin-Win-Winの関係を築くことを目標にしている。NTTデータのWinとは、大企業×ベンチャーが創発したビジネスに対して、同社のソリューションを提供することと、同社自身がスターアップと連携して、新たなビジネスを創発することの2つ。

スタートアップは国内だけでなく、全世界をターゲットとしている。この点について、NTTデータ オープンイノベーション事業開発室 室長 残間光太朗氏は、「現在は、アイデアを持っていれば、大きなビジネスを実現できる可能性が高くなっている。新規のビジネスを迅速に察知し、決定し、どう実現するか、それを高速に回転できるかというオープンイノベーションは今後の大企業戦略の鍵を握る。スタートアップはシリコンバレーだけでなく、いたるところにいる。今後は、世界にエッジをたて、見ていく必要がある」と語った。