公式練習で汗を流すMF長谷部誠

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 チーム内のサバイバルを実感している。日本代表MF長谷部誠(フランクフルト)は「この合宿に対して、それぞれの選手が自分をアピールする気持ちが出ている。チームのやり方に自分をどう当てはめるか、その中でどう自分らしさを出すか。みんなが試行錯誤しながらやっている」と、今合宿の雰囲気について語った。

 当初、W杯メンバー決定前最後の親善試合になると思われた今遠征だが、バヒド・ハリルホジッチ監督は5月30日に行われるガーナ戦(日産ス)の翌日にW杯メンバー23人を発表する考えを明らかにしている。4年前のブラジルW杯では、14年5月12日にW杯メンバー23人を発表。メンバーを確定させて国内合宿および壮行試合を行ったが、今回はガーナ戦に向けて28人程度を招集したうえで、国内合宿で最終的なコンディションを見極め、23人に絞り込むことになりそうだ。

 前回のブラジルW杯だけでなく、最近4大会はいずれも5月中旬にW杯メンバー23人を発表してきた。大会直前に絞り込む“2段階発表”を採用したのは、FW三浦知良らが最後に落選した98年フランスW杯だけ。3大会連続のW杯出場を目指す長谷部にとっても「実際、やったことがないので分からない」という初めての方式だが、海外では一般的でもある。

 クラブのチームメイトを例に「メンバー発表があって『おめでとう』と言うと、『まだ30人だから分からないんだ』と言う選手が結構いる」と明かした長谷部は「他の国では結構やっていると思うし、監督も初めてではないと思う」と指摘。ハリルホジッチ監督はアルジェリア代表を率いたブラジルW杯でも同様の流れでメンバーを決めており、「最後まで緊張感を持つだろうし、それはそれぞれの監督のやり方」と理解を示した。

「監督の選考や招集している人数を考えれば、いろんな選手を試しているというのは感じる。本番に向けてだれが選ばれるのかは本当に分からない。その中でチームづくりをしている。これまでは(この時期には)ある程度、W杯のメンバーが見えてきていたけど、今はケガ人もいて、他の選手を見たいというのがあると思う」

 そうハリルホジッチ監督の胸中を察するキャプテンに不安はない。「最終的なメンバーが決まってからチームはグッとまとまると思う。初戦までを逆算したら時間がないという感覚はない」。5月31日のメンバー発表後に出発するオーストリアでの事前キャンプを経てチームはあらためて結束。ロシアに向けて臨戦態勢に入るイメージはできている。

(取材・文 西山紘平)


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