「つねにナチュラルでいたい」自分を偽らない姿が川口春奈を美しくする

春らしい装いで颯爽と現れた川口春奈。多くのファッション誌で表紙を飾り、「最近、すごくキレイになったよね」という世間からの評判通り、彼女がいるだけでその場がパッと明るくなる。カメラの前に立つ姿はもちろん、質問に対する受け答えも堂々としていて、23歳とは思えない落ち着きと貫禄を見せていた。そこには、彼女が話した「経験は財産」という言葉が表すように、12歳で芸能界入りし、そこから11年のあいだ仕事に邁進してきたことがあるのかもしれない。そんな川口が女優として、ひとりの女性として、今、感じていることとは――。

撮影/平岩 享 取材・文/馬場英美 制作/iD inc.

英語でのコミュニケーションに苦戦。初めてのハワイロケ

Amazonプライム・ビデオで独占配信中のドラマ『しろときいろ 〜ハワイと私のパンケーキ物語〜』。日本にパンケーキブームをもたらしたハワイのカジュアルレストラン「エッグスンシングス」のオーナーになった日本人女性の実話をもとにした物語ですが、川口さんが演じられた澤野夏海さわの・なみの印象を教えてください。
夏海はハワイでのある出会いをきっかけに「エッグスンシングス」のオーナーになることを決意し、それを実現させた女性です。自分でこれと決めたらまっすぐに突き進むエネルギッシュさがあって、行動力がとにかくスゴい。パワフルな女性なので、同性として憧れますし、すごく生き生きとしている印象があります。
川口さんも女優という夢を実現されていますが、夏海との共通点はありますか?
「これをやりたい」とか、「こうなりたい」といった願望は、誰にでもあると思うんですが、それを実際に行動に移せるかというと、意外と簡単なことではないと思うんですよね。それをあきらめないで突き進んでいく夏海をすごく尊敬するし、私はそこまでできないかもしれないです。でも、負けず嫌いだったり、やると決めたら一直線なところは似ているかもしれません。
夏海のモデルとなった縄野由夏さん(※「エッグスンシングス」の2代目オーナー)ともお会いになったとか。
はい。撮影現場にいらっしゃっていたので、いろいろとお話をうかがいました。
実際にお会いしてみて、演技に影響はありましたか?
そうですね、安心感がありました。というのも、架空のキャラクターだと想像しかできないですが、モデルがいらっしゃると、その方の経験談や周りの方のお話を実際に聞くことができるので。だから、より具体的になるというか、普段、ドラマや映画で演じる役よりかは正解が近い気がして、自分的にはすごく心強かったです。
今回のドラマは、1話あたりの配信時間が約15分なんですよね。
1話ずつがとても簡潔に作られているので、気軽に見ていただけると思います。朝でも夜でも寝る前でも、自分の好きなときに見られるというのは、ネットドラマの魅力ですよね。しかも、今はテレビの前にいなくても、携帯でも見ることができるので、自由度は高いかなと思います。
物語は夏海が高校の卒業旅行でハワイを訪れるところから始まります。
海外でガッツリ撮影するのは初めての経験だったので、慣れるまでに時間がかかりました。外国人のスタッフさんとのコミュニケーションは基本的に英語ですし、お芝居以外のところでもすごく大変でした。でも、それでいい経験ができましたし、自分を強くさせてくれたのかなと。
ハワイでショッピングをしたり、イルカと一緒に泳いでいるシーンがとても楽しそうで、てっきりハワイを満喫されたものだと思っていました。
そう映っていたならよかったです(笑)。すごくステキな青春ドラマなので、みなさんに楽しそうな感じが伝わったらうれしいです。
英語でのセリフはどうでしたか?
かなりボロボロでした(笑)。でも、負けず嫌いなので、逆に火がつきました。
劇中では夏海と幼なじみの光山涼介(横浜流星)、ハワイで出会う現地在住の青年・江崎拓馬(薬丸 翔)との三角関係も描かれます。川口さんはこの3人の関係をどう見ていますか?
私には男の子の幼なじみがいないので、実際にどんな感じなのかはわからないですけど、だからこそ憧れる部分はあります。このドラマでは恋模様もかなり描かれているので、見ている方にも甘酸っぱい感じが伝わると思います。

「当たり前のことがそうじゃない」アフリカでの思い出

ハワイにはこれまでも行かれたことはありましたか?
はい。仕事でもプライベートでも行ったことがあります。
川口さんが思う、ハワイの魅力を教えてください。
暖かいですし、気分的に解放されるというか、ゆっくりできるところが好きです。だから、何かをするというよりも、癒やされに行っている気がします。
このドラマに登場する「エッグスンシングス」には行きましたか?
はい。最初にハワイに行ったときに。あと、東京のお店にも行ったことがあります。
食べてみての感想は?
おいしかったです。でも、ひとりでは食べきれない分量なんですよね。だから、このドラマに出てくるパンケーキもドラマだからわざと量を多くしているとかじゃなく、普段からあの量なんです(笑)。けっこう食べるシーンもあるので、お腹が空くドラマにもなっていると思います。
ドラマの中では夏海の父・澤野健太(時任三郎)が作ってくれるパンケーキが「エッグスンシングス」のものとそっくりで、それもあって夏海は「エッグスンシングス」に惹かれたんだと思いますが、夏海はダイエットを気にしてお父さんのパンケーキをあまり食べようとしませんでしたね。撮影中、川口さん自身もパンケーキを食べる機会が多かったと思いますが、夏海のようにダイエットを気にしたりは?
まったく気にしてないですし、パンケーキもがっつりいただきました(笑)。食べるのが好きなので、食事制限はしたくないんですよね。
ハワイもそうですが、川口さんのInstagramを見ると、よく海外に行かれている印象です。
旅行は好きですね。仕事をしているので、そんなにしょっちゅうは行けないですけど。
行くときはひとりで? それともお友達と?
必ず誰かと一緒に行っています。自分から友達を誘うこともありますが、友人から誘われて「じゃあそこに行こう」っていうことのほうが多いですね。
これまで行かれた海外で、とくに印象に残っているところはどこですか?
昨年の年末に仕事でアフリカに行ったんですけど、私が行った海外の中では一番距離が遠かったですし、いろんな意味で衝撃を受けました。
どういうところに衝撃を受けられたのでしょうか?
ふだん東京にいて、当たり前のように生活をしていますけど、場所が変わると、自分が当たり前だと思っていることがそうじゃなかったり、その逆のパターンもあって。そういう文化や風習の違いに驚きました。自分の人生観や価値観が変わるというか、視野が広がるような旅だったので、貴重な体験でした。
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