中国の協力によって建設されたスラマドゥ大橋が完成した09年当時、インドネシアの現地メディアは中国企業が参画したことや、中国の支援があったことは一切報じなかったという。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本は国際協力の一環として開発途上国に政府開発援助(ODA)を提供している。中国国内にも日本のODAによって建設された空港などのインフラが存在するわけだが、こうした援助活動は中国自身も開発途上国に向けて行っている。

 中国メディアの今日頭条は20日、インドネシアには中国が支援して建設されたスラマドゥ大橋という全長5キロを超える橋があることを紹介する一方、ベトナムで日本の援助によって建設された橋が完成したことで、「スラマドゥ大橋が開通した2009年当時のインドネシア側の『嫌がらせ』としか思えない対応を思い出してしまった」と論じる記事を掲載した。

 17年9月、日本がベトナムに提供したODAによって建設された橋の開通式典が行われた。この橋はベトナム国内では最長の海上橋となったが、記事は「日本の援助によって建設された橋がベトナムで完成したように、中国もこれまで開発途上国において道路や橋などのインフラ整備を数多く手がけてきた」と紹介。特に橋の建設においては「日本より中国のほうが優れたものを建設できる」と主張し、インドネシアに建設したスラマドゥ大橋こそ中国の技術力の高さを示すものであり、この橋は中国の支援なくては絶対に完成しないものだったと主張した。

 さらに、インドネシアのマドゥラ海峡に架けられたスラマドゥ大橋はジャワ島一帯の経済発展に重要な役割を果たすと主張したうえで、同橋は地震や台風といった自然災害でも持ちこたえることができ、100年は使用可能だと主張。しかも、通行料金は非常に安価であり、現地の人びとに大きな利便性を提供する存在となったと論じた。

 だが記事は、スラマドゥ大橋が完成した09年当時、インドネシアの現地メディアは中国企業が参画したことや、中国の支援があったことは一切報じなかったと主張し、これは中国人にとっては「嫌がらせ」としか思えないことだったと主張。こうしたインドネシア側の態度からは「中国の勃興は無視できないが、その勃興を素直に受け入れられない」という気持ちが透けて見えると論じつつも、中国は周辺国に友好的に接しているというのに、インドネシア側の対応は「失望させられると同時に、非常に悲しいものである」と主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)