アップル化を目指すASUSは、公式ストアでユーザーファーストなブランドに向かうのか

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ASUS JAPANは3月2日、東京・赤坂にASUSオフィシャルストア「ASUS Store Akasaka」をオープンした。

こうしたショップ展開は「Apple Store」を思い浮かべる人も多いだろう。
専門ショップ展開は、このほかにも2014年にサムスン電子ジャパンが家電量販店の店内に「GALAXY SHOP」を出店している。Galaxyシリーズの修理サポートは通信事業者が行うため、同専門ショップでは製品紹介やアクセサリーの購入、そして使い方のサポートなどがメインとなるアンテナショップだった。

一時、勢いを落としたGalaxyブランドが人気を回復した背景には、革新的な製品投入だけではなく、GALAXY STOREのサポートもその役割を担っていたのではないかと思う。
昨年発売の「GALAXY S8」は顧客満足度も高く、ブランドとしての認知も向上したためか、GALAXY SHOPはその役目を終えて撤退している。

また、現在はSIMフリー市場で勢いがあるファーウェイも、ブランド認知度が低い頃から地道に店舗や公共スペースなどでプロモーション展開を行っていた。

ファーウェイの場合は、通信事業者が販売するGalaxyシリーズとはサポートがことなり、修理は購入店舗や、MVNO事業者のサポートを通してファーウェイが対応することとなる。こうした間接的な受付システムは、顧客の不安・不満を生みかねない。

そこで東京・銀座に、専門スタッフが対面で対応する「ファーウェイ・カスタマーサービスセンター 銀座店」、大阪・梅田に「ファーウェイ・カスタマーサービスセンター 梅田店」を出店している。
事前予約することで待ち時間なく、相談することができるほか、軽修理であれば最短1時間ほどで受け取ることも可能としている。




さて、ASUS Store Akasakaに話しを戻そう。
ASUS Store Akasakaは、前述したファーウェイのカスタマーサービスストアやApple Storeなどと同様のカスタマーサポートを中心とした店舗だ。

スマートフォンやPC市場で成熟したASUSは、次のステップとしてブランドを維持するための顧客満足度の向上を目指しているということなのであろう。

店舗の場所は、東京メトロ丸ノ内線・銀座線の赤坂見附駅から徒歩2分ほど。
赤坂見附という場所選びには、様々な候補から検討重ね慎重に行ったのだという。
秋葉原や新宿など、赤坂見附以外にも交通の便が良いエリアはある。
しかし、カスタマーサポートというサービスを行うことを前提として、
・繁華街をさけ静かな場所である
・交通の便が良いこと
これらから、赤坂見附が選ばれた。




店内はASUS製のスマートフォンやノートPC、周辺機器などが購入できるアンテナショップであると同時に、スマートフォンやPCの修理受付、使い方の相談などを行うサービスカウンターがズラリと並ぶ。




事前に来店予約しておくことで、
・スマートフォンのバッテリー交換
・スマートフォンのガラス交換
などの軽修理であれば、製品によっては最短1時間ほどで受け取れるという。

店舗のバックヤードには専任のスタッフが修理に対応する仕組みができている。
ショップと修理サポートを行う取り組みはグローバルでも初であり、ASUS Store Akasakaがそのモデルケースとなるようだ。

なお、故障の度合いによっては、預かり修理となる。
この場合、最短3営業日での受け取りとなる。
とはいえ、カウンターで専門スタッフに故障の具合を質問できたり、対処法などを聞くことができたりするのは、ユーザーの不安を取りのぞき、満足度を向上させる効果は大きい。
なにかあった際に、また相談できるのはユーザーとしても安心感が違うからだ。

企業や製品のブランド認知は時間がかかる。
そして信頼を失うことは、一瞬だ。

個人が発信するSNSやネット口コミの影響力を大きい現在では、企業や製品の信頼度やブランド力の向上・維持は、ユーザー満足度に大きく依存する。
ユーザーファーストの目線に立ったカスタマーサポートでのサービス品質の向上は、ユーザー満足度を向上させ、ひいては企業や製品の信頼度とブランド力の向上の実現を可能とする。

ASUS Store Akasakaでは、修理だけではなく、スマートフォンの使い方など、ユーザーの疑問や悩みなども、相談して欲しいとしている。

ASUSは単なるメーカーから、ユーザーファーストを目指したカスタマーサポートの充実という次のステップに進んだ。こうしたサポートから得た情報により、今後の優れた製品開発に期待したい。


執筆  mi2_303