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 地方の観光地と同一のテーマの観光地が都内にあるというケースがある。時間とお金をかけないで地方の観光地へ行くことができるというのは言い過ぎであるし、元祖と言える地方の観光地を訪れるのが良いと考えるが、都内にある観光地でも楽しむことができるだろう。あたかも、地方観光地の「分室」とでも呼べる観光地が、都内にあるのである。

 そんなケースの一例が、鳥取県境港市がプッシュしている「ゲゲゲの鬼太郎」である。「ゲゲゲの鬼太郎」は、水木しげる氏(故人、1922年〜2015年)による妖怪漫画作品である。水木氏は幼少期、鳥取県境港市で育った。のちに、水木氏の自宅は東京都調布市であった。そのため、鳥取県境港市および東京都調布市には、水木氏と「ゲゲゲの鬼太郎」に関係する「場所」があるのだ。

 まず「本拠地」の鳥取県境港市は、さすがに水木しげる先生出生の地だけに大掛かりだ。

「ゲゲゲの鬼太郎」に登場するキャラクターの銅像がならぶ「水木しげるロード」「水木しげる記念館」の他には、米子駅と境港駅を結ぶ境線に「鬼太郎列車」が運転されているなど、街をあげて「鬼太郎」を観光資源として活用しようという様子が伺える。(参照:境港市観光協会)

「水木しげるロード」や「鬼太郎列車」は、訪れたことがある・乗ったことがあるという読者もおられると思うが、実は、今年、リニューアルが行われており、再度観光に訪れる価値はある。

「水木しげるロード」のリニューアルに関しては、今年7月、過去最大のリニューアルが完了する予定である。「水木しげるロード」は、1993年に誕生した。その時、妖怪ブロンズ像は23体であった。今回のリニューアルでは、2車線あるロードの大半が一方通行の1車線になり、道路が広くなり、観光客が散策しやすくなる。妖怪ブロンズ像の配置もカテゴリー別に変更になる。道路も、アスファルトから和風のものに替わる。さらに、これまでに無かった夜の照明演出が実施される。昼の妖怪だけでなく、夜の妖怪の世界も楽しめるようになる。一旦撤去されたブロンズ像は、JR境港駅前公園の特別展示「世界妖怪会議」に仮設置されている。

「水木しげる記念館」は、今年3月、15周年を迎えた。「水木しげる記念館」は、100年の歴史を誇る料亭を改装して作られた。記念館オリジナルイラスト、絵画、昔のコミック本、海外収集した妖怪コレクション、妖怪フィギュアなどが展示されている。所蔵点数は約700点。

「鬼太郎列車」のリニューアルに関しては、今年1月から鬼太郎列車が、順次入れ替えになる。1月20日、「鬼太郎列車」リニューアル第一弾として、新イラストの「こなき爺」車両と「砂かけ婆」車両がリニューアルされた。また、3月3日、リニューアル第二弾として、「鬼太郎」と「ねこ娘」車両がリニューアルされた。7月に、リニューアル第三弾として、「目玉おやじ」と「ねずみ男」車両がリニューアルされる予定である。

◆東京にもある鬼太郎スポット

 さらに、「鬼太郎」推しは水木しげる御大の出身地である鳥取県境港市だけではない。2010年3月、NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」の放送が始まったが、水木氏の自宅は東京都調布市にあったため、調布市でもロケが行われたのは記憶に新しいだろうが、水木しげる御大が漫画家となってずっと住んでいた調布市もまた「鬼太郎」推しで、調布市には、「鬼太郎茶屋」があり、「鬼太郎バス」が走っている。

「鬼太郎茶屋」は、調布市「深大寺」(じんだいじ)門前にある。鬼太郎グッズが販売されているショップ、「目玉おやじの栗ぜんざい」や「ゲゲゲラテ」などがメニューの喫茶、鬼太郎の原画や妖怪フィギュアの妖怪ギャラリーがある。

「鬼太郎バス」は、調布市ミニバス(コミュニティバス)であり、「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクターが車体に描かれたバスも走っている。(参照:「調布市」)

 この2つはメジャーではあるが、実はもう一つ、都内に「ゲゲゲの鬼太郎」由来のスポットがある。

 それが、神楽坂の「赤城神社」である。「赤城神社」では、「ゲゲゲの鬼太郎」お守りが販売されている。

 実はこの赤城神社、水木しげる御大がテレビや映画のアニメ化の際にヒット祈願で訪れていたという神社なのである。水木先生デザインによる鬼太郎お守りは2種類で、「ちゃんちゃんこ御守」(1,000円)と「目玉のおやじ御守」(1,000円)の2種類がある。

「ちゃんちゃんこ御守」は、『御守護』とあるように禍津神(まがつかみ)による禍事から御守り下さるようにという意味が込められている。「目玉のおやじ御守」は、『開運』と書いてあり、授与された方々の往先が見通しのよいものになるようにという意味が込められている。作品の大ヒットから考えても、ご利益は確かにありそうだ。

 本拠地の地元で、リニューアルが進められている「水木しげる」由来の地。リニューアル後の「水木しげるロード」を訪れる前に、都内の由来スポットを巡ってみるのも一興だろう。
<文/丹羽唯一朗 photo by puffyjet via flickr(CC BY 2.0)>