F1マシンの横でドライバー達によるトークショーが開催

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3月17日(土)、六本木ヒルズアリーナにて、F1に参戦するレッドブル・トロロッソ・ホンダ初のファンミーティング「Red Bull Toro Rosso Honda DAY in TOKYO」が行われ、2名のドライバーとチーム監督らが登壇。2500名を超えるファンの前で今シーズンにかける意気込みを語った。

【写真を見る】左からホンダ山本モータースポーツ部長、フランツ・トスト監督、ドライバーのブランドン・ハートレー、ピエール・ガスリー

■ 新体制&ルーキードライバーで迎える新チーム

レッドブル・トロロッソ・ホンダは今年から参戦するF1チーム。開幕前に行われた8日間のプレシーズンテストでは、フェラーリやメルセデスに次ぐ3番目の走行距離を達成、特にテスト後半の4日間では1基のエンジンで7レース分の距離をノントラブルで走行するなど、ホンダ製パワーユニットの課題であった信頼性を獲得。ホンダファンからは今季への期待が高まっている。

■ 想定の5倍のファンが集合!

12時から配布された500枚の入場整理券はまたたく間に配布終了。アリーナに入り切らなかったファン達は、会場を取り囲む階段や通路に溢れるほどの大入りであった。

トークショーの前には、レッドブル系らしいエクストリーム系スポーツとDJプレイが行われヒートアップ!特に2020年の東京オリンピックで正式種目に選ばれた「BMX フリースタイル パーク」のデモンストレーションが行われ、5人のライダーがベールに覆われたF1マシンの上で技を披露。多くの観客はスマートフォンでその様子を納めていた。

■ F1マシンの前で今年にかける意気込みを語る

F1マシンがアンベールされドライバーやチーム関係者が登場すると、会場からは大きな声援が。

トロロッソのフランツ・トスト監督は日本語で「コンニチワ、キテクレテアリガトウ」と挨拶すると過去、ドライバーのマネージャーとして日本に滞在していたことに触れ「日本に戻ってきてこれて嬉しいです。私は長年日本にいたので日本の文化、食が大好きです」「本当にここに至るまで、栃木にある本田技術研究所 HRD Sakuraがすごくいい仕事をしてくれました。おかげでトロロッソ史上もっとも長い距離を走ることができました。私達の未来は非常にポジティブだと思っています」と語った。

「今年のF1は全21レースありますが、私達のいる中段グループの戦いは熾烈なものになります。ホンダはまず信頼性を向上させて私達の期待に応えてくれました。次のステップとしてトロロッソ側の車体の改善が重要になります。(鈴鹿ラウンドのある)後半戦はより一層マシンが早くなっていると思います。期待してください」「トロロッソというチームは、レースにおける適応力が高いと思っています。エンジニアは去年と同じメンバーですので、戦略面などで上手くいけると自信があります。まずはポイントを取ること、そしてチャンスがあれば表彰台を狙っていきたい」とホンダとの関係、そして今シーズンの意気込みを話した。

ホンダの山本モータースポーツ部長も「ホンダとしては昨年まで悔しい思いをしていきました。ですがトスト代表と共に一緒に新しいスタートが切れたことが嬉しく、しかも好調ですから、開幕戦が今からとても楽しみです」「今季はエンジンが3基までしか使えないですが、信頼性とパフォーマンスの向上に向けて少しづつ頑張っています。トロロッソと一緒に前進していきたい」と述べた。

「昨年の反省を踏まえて、バルセロナのテストではしっかり走ってもらおうと考えていました。奇跡は起きないけれど、一つ一つチャレンジしながら、やり続けることが大事だと思います。だから頑張ってやるしかない」との前向きなコメントに、拍手が沸き起こった。

F1の下位カテゴリである「GP2」のチャンピオンで、昨年日本最高峰のカテゴリである「スーパーフォーミュラ」にて最終戦までチャンピオン争いをしたドライバーのピエール・ガスリーは「アリガトウ」と挨拶すると、会場からは大きな拍手が。「去年はフランスより長い時間を日本で過ごしました。日本は礼儀正しくて大好きな国です。その日本に戻ってくることができ、そして大きな会場で、皆様からの温かい歓迎を嬉しく思います」「スーパーフォーミュラはF1並のダウンフォースがあり、F1へのステップアップにとても有効でした。いっぽうでF1はスーパーフォーミュラの倍近いエンジンパワーがあります。その中でホンダエンジンはとても扱いやすく、ドライバビリティが高いです」とコメント。

ル・マン24時間レースの優勝をはじめ「世界耐久選手権」(WEC)で成功を納めたブレンドン・ハートレーは「今年はトロロッソのファンが増えると思います。日本でのモータースポーツに対する情熱は、富士スピードウェイで行われたレースで知っています。鈴鹿はもっと凄いことになると思いっています。また皆さんと鈴鹿で会えることを楽しみにしています」と話した。

ファンの間で気になるのは、昨年までマクラーレンとホンダの間で問題となったコミュニケーションに関してだ。これに関してトスト監督はスタッフに「Eメールで『できない』と書くと日本人はがっかりするから絶対に書かないようにと教えました。そして日本人から『できるかもしれない』というのは、大抵『できない』という意味だと理解して欲しい」と言い聞かせたことを披露し、会場の笑いを誘った。山本も「日本とイタリアは歴史や文化が似ていると思います。それにトロロッソの本拠地であるボローニャの料理は美味しいんですよ。難しい話でも、美味しい料理を食べながらですと、進みますよね。これからもより一層コミュニケーションを密にしてきたいと思います」とコミュニケーションが良好であることをアピールした。

■ ファンには嬉しい素敵なサプライズも!

 トークショーの後で行われたファンからの質問コーナーで「マシンに名前はつけたか?」との問いに対し、ドライバーのブレンドン・ハートレーは「まだ付けてない。何かオススメがあればツイッターに投稿して」と提案。すると、監督であるフランツ・トスト氏は「採用した人は鈴鹿に招待するよ」というビッグサプライズを発表。急遽、プレゼント企画が実現。応募はツイッターでチーム「@ToroRosso」かハートレー「@BrendonHartley」のアカウントに「#namethecar」のハッシュタグと共に、マシン名を添えるだけ。奮って応募してみてはいかがだろうか。

ファンからのサインに気軽に応えるなど、終始和やかなムードだったホンダのファンミーティング。3月25日(日)に行われるF1開幕戦「オーストラリア・グランプリ」では、東京・青山にある本田技研工業本社では、今季のF1マシンを展示してのパブリックビューイングを開催するとのこと。

トロロッソの過去F1開幕戦におけるポイント獲得率は100%! 開幕戦では何ポイント獲得するか楽しみだ。(東京ウォーカー・クリタタカシ)