東京ガスの防災体験ツアーを取材:第2弾「災害時のトイレをそなえよう!」
東京ガスは、3月11日に「親子で学ぼう!!防災体験ツアー」と題した、災害時の対策を学べる体験会を開催しました。24名の定員に100名を超える応募があったほどの人気イベントで、「しながわ防災体験館」での体験を終えた後は、豊洲にある東京ガスの体験施設「がすてなーに」に場所を移して防災体験が行われました。そのうちの一つが「災害時のトイレをそなえよう!」です。東京ガスがなぜトイレ?という疑問も持ちましたが、その理由が明らかになりました。

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なぜ東京ガスがトイレの防災を?と思いましたが、これにはれっきとした訳があります。



阪神淡路大震災や東日本大震災など、大きな災害の際には地方の都市ガス事業者の復旧支援のため、早い段階から被災地入りし、復旧作業にあたっていました。被災直後の現地で、被災者の方々と同じ環境で復旧作業を行う訳ですので、当然ながら同じ問題に直面するということです。



震災後のアンケートなどでも、施設、設備のうち最も困ったものがトイレだったということです。水、食料などは備えが進んでいることもあったり、支援物資としても提供されることも多いので、自助、共助、公助ともに比較的満たされているようですが、トイレに関してはそこまでではなかったようです。



避難所に設置される仮設トイレ。主に公助によるものですが、現地では使用禁止という張り紙とともに封鎖されている設備も。これは、汚物の回収が間に合わず、トイレが溢れてしまったからです。実際の写真も紹介されましたが、「これでもお見せできるレベルの軽いものです」というものですら凝視できないレベルの汚れでした。



清潔な水洗トイレに慣れている現代の人にとっては、汲み取り式の仮設トイレは抵抗があるもの。さらに清掃や回収が間に合わずに汚れたり溢れているトイレは利用しにくいのに加え、屋外にあって行きづらい、怖いなどトイレに行くのをためらう人も多かったと言います。



そうなると水や食事を控えてトイレの回数を減らすことになりますが、それによってエコノミークラス症候群などの健康被害にもつながります。



また、自宅が無事で避難所にいかなくとも良い場合でも、配管の破損によって水洗トイレが使用できない場合もあります。



したがって、排水管の確認ができるまでは水を流さないことが重要ですが、便器やトイレの空間は使用できるので、携帯トイレ(非常用トイレ)の出番という訳なのです。




携帯トイレには、排泄する汚物袋と吸収する薬剤やパッドがセットになっていますが、さらにもう一つ、大きなビニール袋(ゴミ袋)をまず最初にトイレにセットしてからトイレ用の袋をセットします。ここで大事なのは溜まった水は流さないこと。水は配管の臭いが逆流するのを防いでいるので、そのままにしておくのが良いということです。




使用できる状態になったトイレ。用を済ませたら、吸収剤を投入します。今回はペットボトルの水で代用し、そのあとに薬剤を入れます。




吸収剤が水を吸収して固まった状態。感触としてはわらび餅といった風情。薬剤の粉末にはヒノキの香りもあって、ほのかに良い香りもしますが、実際の場面では香りを楽しむ状態ではないと思います。


排泄用の袋の口を縛り、さらに小さい袋で二重にしまいます。これでも徐々に臭いが漏れてくることもあるということです。



そんな携帯トイレ。どれくらい備える必要があるかというと、下水道の復旧までには一ヶ月以上かかった例もあり、できれば二週間、最低でも一週間分は必要ということです。一人が1日5回トイレを利用する場合、二人暮らしなら1日10回分のトイレが必要です。7日で70回分、二週間だと140回分のトイレが必要ということになります。



そして、トイレといえばトイレットペーパーが必要です。こちらも1日の使用量から最低7日分を算出して備える必要があります。



だいたい1回で使用するトイレットペーパーを繰り出して、長さを測ります。1回のトイレで2、3回引き出すので、その合計の長さを測り必要分を算出します。



そして、トイレットペーパー以外にも備えておいたほうが良いというアイテム。全部備えられるとベストですが、その中から8個選ぶとしたら?というテーマでワークショップも行われました。



各テーブル、家族ごとにあれこれ話し合ったりして、それぞれの理由で8個を選んでゆきます。



その後、必要なものは人それぞれ、家庭で異なるのでどれも間違いではないという前置きのあとで、一例が紹介されました。1.密閉できる衣装ケース(アイテムを収納しておき、使用時は用が済んだトイレを一時保管しておくための容器として使用)2.ウェットティッシュ(手を拭いたり掃除用)3.アルコール消毒薬(手指消毒用)4.ランタン(手に持たず明かりを用意できる)5.塩素系漂白剤(除菌、清掃用)6.トイレットペーパー(必要分)7.ゴミ袋(70リットルなど大きめ)8.携帯トイレ(必要分)



配られた冊子には、今回の体験で紹介されたことや手の洗い方、清掃、消毒の方法なども紹介されていることが案内されました。また、東京ガスのサイト「災害時のトイレをそなえよう!」でも、一部のコンテンツが紹介されていたり、体験イベントの案内も掲載されています。