米DIGIDAYによる、BuzzFeedのCEO、ジョナ・ペレッティ氏への質疑応答。

BuzzFeedはかつて、Facebookをメインプラットフォームのひとつと定め、そのニュースフィードを攻略することで、成長してきた。しかし、昨年末よりペレッティ氏は、「フェイスブックはニュースフィードから得た収益を分配すべきだ」と同社への対抗姿勢を強めている。

だが、このインタビューにおいては、「Facebookはルーツに回帰しており、それはBuzzFeedにとって悪いことではない」と、同氏は述べた。以下のやり取りは、少し編集がしてある。

――BuzzFeedは、Facebookとともに成長したメディアだ。なので、あなたが昨今のFacebookに対して批判的なコメントをしたことに驚きの声がある。Facebookはパブリッシャーをどのように支援すべきか?



Facebookの戦略でいま私が特に批判しているのは、ニュースフィードで収益を生み出しているFacebookが、新しいインスタント記事(Instant Articles)やWatch(ウォッチ)の収益だけを分配し、自らの主な収益源であるニュースフィードの収益を分配していないところだ。配信に関するアルゴリズムだけでは、ニュースフィードに掲載されるものを左右できない。トラフィック生成の経済学というものにはたどり着かない。つまり、ニュースフィードの収益を分配するのはFacebookの利益なのだ。

世界のためになるからというのではない。そうすることで、ニュースフィードに表示されるものをFacebookがいくらか制御できるようになる。地域ニュースや信頼性のあるニュースが欲しい、そういうものは配信も収益も増やすとFacebookが言えば、パブリッシャーは制作を増やせる。キャリッジ料のようなものや、トラフィック量が収益に直接関係するものである必要はない。有益だった時間の尺度をFacebookが準備し、1分あたり2セントを支払うというものでもいいだろう。Facebookにはいま、ニュースフィードを左右する手段がない。

――Facebookがユーザーの親類縁者の投稿を後押しし、シェアを促進させる方針だ。BuzzFeedにはどんな影響があるだろうか?



Facebookはルーツに立ち戻ろうとしており、我々はそれを喜んだ。BuzzFeedの制作物はコメントのレベルが高いものが多い。テイスティ(Tasty)が動画を投稿すると、人々は各自のバージョンを投稿し、それを口実に友達たちと集まる。だから、DNAの奥深くにソーシャルが浸透したコンテンツを作っている会社からすると、この変更は心強い。

――この1年、動画への転換に対する反発が見られた。あなたの見方は?



動画への移行は長期的なものであり、続くのだと考えている。BuzzFeedはコンテンツの閲覧と収益の過半数が動画だ。誇張された部分はあったと思うし、テキストがなくなることはないだろう。しかし、重要であることは本当だ。我々が実感したのは、動画は学ぶものではなく、コミュニケーションの手段だということだ。我々はたくさんのフォーマットを攻略した。テイスティの短い高速再生動画は、非常にソーシャルで現実世界の活動を促進する。

また、我々には「ワース・イット(Worth It)」や「アンソルブド(Unsolved)」など、テレビ的な番組もあり、YouTubeで流している。欠かさず視聴するタイプの番組だが、これが、コミュニティ構築というプラスアルファによって、ケーブルテレビの基本チャンネルに取って代わりつつある。ビデオオンデマンド式のサブスクリプションプラットフォーム向けには、より長い動画の制作をはじめている。

――BuzzFeedは2017年、成長目標を達成できず、人員整理に至った。可能ならやり直したい点はあるか?



我々のソーシャルのDNAにもっと忠実であることが大事だった。我々のオーディエンスだと機能するものはわかっているので、それに沿った動画の制作をクライアントとともに推し進めるべきだった。フォーマットがある程度見えたら、たとえ説得に余分に時間がかかるとしても、ソーシャルで機能するものを広告主に提供しなければならない。しかし実際には、たとえばテレビ風コマーシャルのような動画を作れというプレッシャーがあり、その場合、営業も配信も苦労する。うまく行かないとわかっている別のフォーマットをブランドに求められることもあった。

――ネイティブを全面支持したのは振り返ると間違っていた?



最初は間違っていなかったが、途中で方針を変えたほうがよかった。これはもう少し早く判断することができたはずだ。最初のころ、プログラマティックはもっとひどいものだった。広告の読み込みはもっと遅かったし、提供している企業がスタートアップで、作っている広告のレイテンシー(遅延)が大きく、データのプライバシーもしっかりしていなかった。その後、我々が一部のユーザーでテストしたときには、マイナスの影響はなく、収益に大いにプラスになることがわかった。ネイティブとプログラマティックの連係はプラスだったし、たくさんの通信が行き来することによるオーバーヘッドを把握できた。

――ニュースにはこれからも関与するのか? その理由は?



ニュース事業は、愛着があるし、我々の戦略にとても重要なものでもある。去年は、(スティール氏の)調査文書にケビン・スペイシー氏の記事と、すばらしい1年だったし、英国チームもブレグジットをいち早く報じた。ニュースは会社に幾重にも貢献している。名声やカリスマ性をもたらしてくれて、会社にプラスなのだ。プラットフォームにとっても、ますます重要なものになっていくだろう。フェイクニュースをどうにかしたいとFacebookは言っているのだから。

――しかし、ニュースはお金がかかるし、広告主が近寄りたがらない。Facebookでのシェアもよくない



ニュースは考えられているよりも良いビジネスだと私は思っている。短期的には、金食い虫だし、信頼構築に時間がかかる。でも、コスト構造をニューヨーク・タイムズ(The New York Times)やワシントン・ポスト(The Washington Post)と比較すれば、我々は無駄がないし、いまのチームで大勢のオーディエンスにリーチしている。ニュースの将来に賭けたい人は、デジタルだけで質の高いニュースをして、たくさんの人にリーチしているところを選びたいものなのだ。GoogleとFacebookはニュースのサポートを強めると思う。そうしないと規制されてしまう。

――今後、BuzzFeedのニュースで、サブスクリプションモデルというのはあるのか?



可能性はある。部分的なペイウォール化は考えられる。しかし、啓発や情報提供を幅広くやるもの重要だ。コンテンツの大半をペイウォールで見えなくするニュース機関ばかりだと、有権者にしっかりと情報が伝わらなくなる。

――ベンチャーキャピタルはデジタル出版社に非現実的な期待をしていたのだろうか?



私は長期的に見ている。BuzzFeedのような会社は常に積極的な目標を設定していくものであり、目標は達成されたり、されなかったりするものだ。企業価値についていうと、そこに力を注げば、実際のビジネスが見失われてしまう。成長が毎年、続いているのなら、時価総額はそこまで問題にするべきものではない。

Lucia Moses (原文 / 訳:ガリレオ)