海外メディアの報道によると、米アップルは3月27日にイベントを開き、何らかの教育関連製品を発表すると見られている。

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「Apple Pencil」を示唆する招待状

 同社は3月16日の朝、イベントの招待状をメディアに送った。同社のイベントは、米カリフォルニア州サンフランシスコで開催されるのが常だが、今回は、イリノイ州シカゴの高校で開かれるという。

 招待状には、ペンで描かれたようなアップルのロゴに加え、「先生や生徒のための、新しく、創造的なアイデアを聞きに来てください」とのメッセージがある。また、「フィールドトリップ(校外学習・遠足)に行きましょう」との文言もあるという(英フィナンシャル・タイムズの記事)。

 このことから、おそらくアップルは、教育関連の新たなプログラムや、それに関連するソフトウエア、ハードウエアを発表すると、海外メディアは伝えている。

 とりわけ、有力視されているのは、タブレット端末「iPad」の新モデルと、その新モデルで利用できるスタイラスペン「Apple Pencil」。

教育現場向けに廉価モデルをリリースか

 アップルは昨年3月下旬に、iPadの第5世代モデルを発売した。その価格は329ドルからと、9.7インチモデルとしては、これまでで最も安い。

 一方でiPadには、専用のキーボード「Smart Keyboard」や、前述したApple Pencilが、別売りで用意されるモデル「iPad Pro」がある。

 後者のiPad Proは、アップルが旗艦モデルと位置付ける製品。プロセッサーの処理能力やカメラ性能などが、iPadに比べて高い。しかし、その分、価格も649ドル〜(10.5インチモデル)、799ドル〜(12.9インチモデル)と高くなる。

 そこで、アップルは新たな廉価モデルと、それに対応するApple Pencilの廉価版を用意。教育市場に売り込んでいくと見られている。

販売が落ち込むタブレット市場

 アップルがiPadの初代モデルを発売したのは、2010年4月。iPadは、その後しばらく、右肩上がりで推移したが、2013年をピークに減少に転じ、3年間、マイナス成長が続いた。

 四半期販売台数が、ようやく回復したのは、昨年(2017年)4〜6月期のこと(ドイツ・スタティスタのインフォグラフィックス)。iPadは、昨年7〜9月期と10〜12月期も前年実績を上回ったが、その台数はピーク時の半分程度にとどまっている。

 米国の市場調査会社IDCによると、タブレット端末のうち、ウェブサイトやソーシャルメディア、動画などを見る“メディア消費”が主な目的の従来型「スレート端末」は、販売が急速に落ち込んでいる。

 一方、キーボードやスタイラスペンが用意され、“プロダクティビティ・ツール”として使える「デタッチャブル端末」は、堅調に伸びている。

 タブレットは、その市場規模が縮小しているが、今、一筋の望みとなっているのがデタッチャブル端末だ。アップルが、この分野のテコ入れを図るのも、不思議なことではない。

(参考・関連記事)「タブレット市場はこのまま萎んでいくのか」

 USAトゥデイも、今回のアップルのイベントが、iPad関連だと予測するメディアの1つ。アップルはかつて、教育現場へのMacintoshパソコンの売り込みで成功していた。しかし、米グーグルのノートパソコン「Chromebook」に、価格競争力で負けたという苦い経験がある。低価格のiPadであれば、グーグルに十分対抗できるだろうと、アナリストは話しているという。

筆者:小久保 重信