イチゴのほかにもマスカット、サクランボなど多数の品種の流出が確認されている *写真はイメージです

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日本の誇るおいしいフルーツの海外流出が止まらない! 生産者が苦労して開発した優良品種を、無断で持ち出し、さらには名産品として大々的に売り出したりもする。そんな被害が相次いでいるというのだ。腹立たしい実態に迫る!

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平昌(ピョンチャン)五輪で銅メダルを獲得したカーリング女子日本代表のメンバーが、その翌日の記者会見でハーフタイムでの栄養補給、通称「もぐもぐタイム」で食べた韓国のイチゴについて触れ、「ビックリするぐらいおいしくて、お気に入りでした」と語った。

彼女の発言自体にはなんの他意もなかったのだが、メダル獲得の数日後に行なわれた政府閣議の後、齋藤健農林水産相が「(韓国のイチゴは)日本から流出した品種をもとに韓国で交配されたものが主だ」と指摘、日本の優良品種が無断流出しないよう、海外での品種登録などを積極的に進める必要性を訴えるという事態にまで発展した。

カー娘が絶賛した韓国産イチゴの代表は、「雪香(ソルシャン)」「梅香(メヒャン)」といった品種。だが元をたどれば、雪香は「章姫(あきひめ)」(日本の個人が開発)と「レッドパール」(同)をかけ合わせたものだし、梅香は「栃の峰」(栃木県が開発)と「章姫」を交配させて生み出された品種なのだ。

しかしそういった日本の品種は、日本から勝手に持ち出されたり、不当に韓国で栽培が普及したものだ。

フルーツビジネスジャーナリストで、果物専門店「水菓子 肥後庵」の代表でもある黒坂岳央(くろさか・たけお)氏が言う。

「例えば章姫とレッドパールはそれぞれ1996年と98年、韓国の農業研究者など特定の相手にどうしてもと請われ、韓国ではその相手だけが特定の期間、有料で栽培できるという契約の下に苗が譲り渡されました。にもかかわらず、なぜか契約とは無関係な韓国内のほかの農家間でも爆発的に広まり、栽培されるようになりました。栽培コストの安さもあり、これらの品種は一時、こともあろうに日本へ輸出もされていたのです」

当然、章姫やレッドパールの開発者は苗を譲った韓国の契約相手に抗議した。しかし相手は「自分は、韓国国内の誰にも苗を譲ったり売ったりしていない。自分の知らないうちに広まってしまった」と、シラを切るばかり。

「不当に広まってしまった章姫やレッドパールの韓国農家に対しては契約が存在しないため、日本の開発者はロイヤリティ(品種使用料)を取ることもできません。そこで開発者は、ロイヤリティを払っていない韓国産のレッドパールや章姫の輸入差し止め訴訟を起こすことなどで対抗したのです」(黒坂氏)

この訴訟の勝訴や和解などにより、韓国からの日本原産イチゴの逆輸入は激減。また韓国は2002年、植物の新品種の保護に関する国際的な取り決めであるUPOV(ユポフ)条約に加盟したため、海外から韓国に対して新品種の登録がなされれば、その知的財産権を尊重しなければならなくなった。

韓国政府は条約締結当初、イチゴに対しては自国の生産農家の反発もあって保護対象外としていたが、12年にはその猶予(ゆうよ)期間が終了し、他国の品種を不当に持ち込んだり、普及させることができなくなることになっていた。そこで韓国の農業界は何をしたか?

「UPOV条約を逆手に取り、レッドパールなど不当に普及した日本のおいしい品種同士を交配して新品種を作り出した上で、猶予期間が切れると同時に国内外で『韓国原産』として品種登録したのです」(黒坂氏)

それが雪香や梅香などだというわけだ。今や韓国において、日本原産種を勝手に交配して作られたイチゴが全栽培面積の9割以上を占めているだけでなく、アジア各地へ積極的に輸出され、日本のイチゴと競合。農水省では、不当な経緯で生まれた韓国産イチゴによって損失した日本の輸出機会の損失を、最大で年間40億円以上と推計している。

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